「セージ」の2つの意味と、それぞれの語源

質問.セージ」とは、どういう意味ですか?

回答.セージ(ハーブの一種)」という意味と「賢者」という意味があります。 詳しくは以下をご覧ください。

1. 英語に戻すと

「セージ」を英語に戻すと "sage" です。

「賢者」と「ハーブ」どちらの「セージ」も、元の英語は "sage" です。
ただし「賢者」の "sage" と「ハーブ」の "sage" とで語源が異なります。 綴りと発音は同じですが別々の言葉なのです。

2.詳しい意味

2.1.「賢者」を意味する "sage"

「賢者」の "sage" は、「知能が高い人」というより「経験に基づくウィズダムを備え、思慮深く判断が適切な人」を意味します。

"sage" は特に年配の人を指します。 長老のイメージですね。
"sage" には「(経験や判断力のおかげで)賢明な」という形容詞としての意味もあります。「賢者」の意味の "sage" は名詞です。

ゲームに登場する「セージ」

RPGでは「セージ」は、魔法使いの上級クラス(経験を積んで転職する職業)として扱われるのが一般的です。
ドラクエ6に登場する職業「賢者」も「セージ」のことに他(ほか)なりません。

2.2.「ハーブ」を意味する "sage"

ハーブの "sage" は、学名を Salvia officinalis という植物の英名です。

セージは古来よりヨーロッパで食用に用いられます。 エッセンシャル・オイル(精油)としても利用されます。

豆知識

  • セージはシソ科の植物。 だからシソに風味が似る。 パスタ用のトマトソースにセージの代わりにシソを入れても美味しい。
  • セージの学名に "Salvia" とあることから分かるように、セージは観葉植物のサルビア(Salvia splendens)と同じ Salvia 属の植物。 そして、ここだけの話、サルビアは花の蜜を舐められる(甘い)。

3. 語源

3.1.「賢者」の "sage"

「賢者」を意味する "sage" の語源は、「理解する、知る」などを意味するラテン語の動詞 "sapere" です。

ラテン語 "sapere" から、「賢明な」を意味する古フランス語の形容詞 "sage" などを経て、英語の "sage" が成立しました。

3.2.「ハーブ」の "sage"

ハーブのを意味する "sage" の語源は、「(ハーブの)セージ」を意味するラテン語の名詞 "salvia"(*)です。 そこから同じく「(ハーブの)セージ」を意味する古フランス語 "sauge"(2)などを経て、英語の "sage" が成立しました。

(1) 植物の「セージ」や「サルビア」の学名 "Salvia" は、「セージ」を意味するラテン語に由来するわけです。

(2) 肉の「ソーセージ(sausage)」を想起させますが、ソーセージは無関係です。 「ソーセージ」の語源は、「塩を加えた」を意味するラテン語 "salsus"。

"salvia" 以前の語源

ラテン語 "salvia" のさらに前の語源は、「安全、健康、損なわれていない」を意味するラテン語の形容詞 "salvus" です。

セージが薬草として(*)利用されていたので、セージの呼称として「健康(salvus)」に由来する言葉(salvia)を用いるようになったと言われています。
(*) 口内のケアや関節炎の緩和に用いられたという。

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