「メテオ」の意味について説明します。
「メテオ」は "meteor"
「メテオ」は "meteor" という英語をカタカナで表記した言葉です。
"meteor" の意味
- 流れ星、流星
- 流れ星のように驚異的な速度で動く物あるいは人
- 流星体、流星物質(=meteoroid)
- 隕石(=meteorite)
- (古語)あらゆる気象現象。 虹・雷・雹(ひょう)・雪・台風など
"meteor" の語源は「中空の、高い」を意味するギリシャ語 "μετέωρος" です。 "meteor" の古語の「あらゆる気象現象」という意味は、「天空に生じる現象」のことだったわけです。 「気象学」のことを英語で "meteorology" と言いますが、この言葉は古語の "meteor" に由来しています。
解説
物体 vs. 現象
「流星体」や「隕石」が物体であるのに対して、「流れ星、流星」は現象です。
「流星」という日本語は、英語の辞書の次のような定義を日本語1つで言い表したものです。
a fiery streak in the sky produced by a meteoroid passing through the earth’s atmosphere; a shooting star
大気圏を通過する流星体(meteoroid)が空に描く燃えるような軌跡。 流れ星(shooting star)。
とりあえず、「流星体」が引き起こす現象が「流星」です。
流星体と流星と隕石
「流星体(メテオロイド)」とは、宇宙空間に存在する物体のうちサイズが30μm~1mのものを指します。
その「流星体」が大気圏に突入して突き進むときに生じる現象が「流星(メテオ)」です。 そして、流星体が燃え尽きずに地表にまで到達した場合に残った物が「隕石(メテオライト)」です。
「流星体」以外に「アステロイド」や「彗星(コメット)」も、「流星」と「隕石」の原因となります。アステロイドと流星体はサイズで区別されます。 1mより大きいのがアステロイドです。
アステロイドと彗星(comet)の違いは主に成分で、アステロイドが主に鉱物で出来ているのに対して彗星は塵と氷で形成されています。 多くの彗星は楕円形の軌道に沿って太陽の周囲を回っており、太陽に近付いたときに太陽の熱で氷が気化して光り輝く「尾」が生じます。
アステロイドは日本語では「小惑星」です。 ただ「小惑星」には "minor planet" と "asteroid" という2つの意味があります(紛らわしい)。まとめ
"meteor" の「流れ星」と「隕石」の意味に限定して辞書での扱われ方を比べると次の結果となりました:
- The Free Dictionary に収録されている5つの辞書のうち、「メテオ」の意味として「流れ星(現象)」だけを記載している辞書は1つ、「隕石(物体)」よりも「流れ星(現象)」の意味を先に記載している辞書が2つ、「流れ星」よりも「隕石」の意味を先に記載しているものが2つだった。
- Wiktionary という辞書では「流れ星」の意味しか記載していないばかりか、「"meteor(メテオ)" と "meteoroid(隕石)" の混同に注意」という注意書きまであった。
上記の結果から、厳密に言えば「メテオ」に「隕石」の意味は無いけれど、「メテオ」を「隕石」の意味で使っても世間に通用はすると言えそうです。
ミーティア
ファンタジー系のゲームやマンガやラノベには攻撃魔法の一種として隕石を利用する(宇宙から呼び寄せた隕石で敵を攻撃する)ものや隕石に模したものが登場することがあります。
数十年前には、こうした「隕石」の魔法の呼称に「メテオ」という言葉がもっぱら用いられていましたが、最近では「ミーティア」という言葉もちょくちょく見かけます。