「マジェスティ」や「ユア・マジェスティ」の意味は?

質問1:「マジェスティ」ってどういう意味ですか?

回答1:「尊厳・威厳、主権・統治権・支配権」といった意味です。

「マジェスティ」を英語に戻すと "majesty" で、この "majesty" に上述の「尊厳」などの意味があります。

"majesty" の語源は「尊厳、威信」などを意味するラテン語の名詞 "māiestās" です。

質問2:「ユア・マジェスティ」はどういう意味ですか?

回答2:「陛下」という意味です。

詳しくは以下をご覧ください。

1.「ユア・マジェスティ」について

"majesty" が「陛下」の意味で使われるときには、"your" を併用したうえで "your" ともども大文字で開始し "Your Majesty(ユア・マジェスティ)" とします。

疑問

ここで疑問が生じます。「わが主君」は英語で "My Lord(マイ・ロード)" なのに、「陛下」のことを "Your Majesty" と言うのは何故でしょうか?

ブリタニカ百科事典の記述
この疑問に直接答えるものではありませんが、「ブリタニカ百科事典」に次の記述があります:

古代ローマの帝政初期において、国家のマジェスティ(尊厳・主権)は皇帝個人に移譲され、皇帝の帝威(maiestas augustalis)は国家反逆罪の拡大解釈により不敬から保護された(皇帝への反逆は国家への反逆であるとされるようになった)。

敬称としての "Your Majesty" の使用の初期の例は、クィントゥス・アウレリウス・シュンマクス(345~402年)がテオドシウス1世に宛てた手紙である。 この手紙においてシュンマクスはテオドシウス一世のことを "Your Majesty" と呼んだ。 これ以降、西洋の皇帝たちは "Your Majesty" と呼ばれることが多かった。
推測

ここからは私の推測になりますが、ブリタニカ百科事典の記述をもとに考えると、「"Your Majesty" は国王が国家のマジェスティ(尊厳・主権)を保有していることを認める表現だったのでは?」と思います。

"Your Majesty" が「あなたが保有する国家の尊厳・主権」の意味なら、それは「あなたは国家の尊厳・主権を保有している」と暗に言っているのと同じです。

2.「ユア・マジェスティ」の関連表現

"His/Her Majesty"

"His/Her Majesty" の意味は「陛下」。 "Your Majesty" と同じ意味です。

ですが、"Your Majesty" と "His/Her Majesty" は使い方が違います。 次の通りです:

  • Your Majesty ・・・ 国王/女王や皇帝/女帝に面と向かって語り掛けるときに用いる。
  • His/Her Majesty ・・・(国王/女王や皇帝/女帝ではない)誰かとの会話で国王/女王や皇帝/女帝に言及する場合に用いる。

敬称のニュアンスを省いたときに「あなた(2人称)」に当たるのが "Your Majesty" で、「彼/彼女(3人称)」に当たるのが "His/Her Majesty" です。

例えば「ユア・マジェスティ(あなた)、お飲み物はいかがでしょうか?」に対して「おい聞いたか、ヒズ・マジェスティ(彼)が朝寝坊なさったそうだぞ!」という感じです。

"Your/His/Her Majesty" に類似する敬称

  • Your/His/Her Highness - 王子・王女・皇太子に対する敬称
  • Your/His/Her Grace - 王族に次ぐ貴人(公爵、公爵夫人、女侯爵、大司教)に対する敬称。
  • Your/His/Her Excellency - 知事・大使・貴族などに対する敬称
  • Your/His/Her Hono(u)r - 裁判官に対する敬称。 英国は "Honour" で、米国は "Honor"。
  • Your/His/Her Worship - 聖職者に対する敬称。
  • your/his Lordship - 英国などの貴族、英国の裁判官や司教に対する敬称。 男性に対して用いられる。
  • your/her Ladyship - 英国などの貴族、英国の裁判官や司教に対する敬称。 女性に対して用いられる。
  • my lord - 英国などの裁判官や司教に対する敬称。 過去には領主に対する敬称だった。 男性に対して用いられる。
  • my lady - 英国などの裁判官や司教に対する敬称。 過去には領主に対する敬称だった。 女性に対して用いられる。
"Lord/ladyship" や "lord/lady" に関しては、大文字で始まるかどうか統一されていない様子です。

3.「マイ・マジェスティ」は間違い

アニメ『コードギアス 反逆のルルーシュ』で、皇帝の言葉に対する同意のセリフとして「イエス、マイ・マジェスティ」があるそうですが、このセリフは現実の英語的には間違いです。 "My Majesty" という言い方が存在しませんので。

おそらく、「マイ・ロード」と「ユア・マジェスティ」が混同されて「マイ・マジェスティ」になったのでしょう。

この仮説を裏付けるかのように、同アニメの公式サイトの用語集には次のようにあります:
イエス、マイ・マジェスティ/イエス、ユア・ハイネス/イエス、マイ・ロード
意味は基本的に「了解」だが、答える相手によって使い分ける。ブリタニア皇帝に対しては「イエス、ユア・マジェスティ」。ブリタニア皇族に対しては「イエス、ユア・ハイネス」。ブリタニア軍の上官に対しては「イエス、マイ・ロード」。

見出し(太字)の部分では「マイ・マジェスティ」と間違っていますが、説明の部分では「ユア・マジェスティ」と正しい表現になっています。

トップページに戻る