「ゴッド スピード ユー」の意味

ゴッドスピードユー」あるいは「ゴッドスピードラブ」はたまた「ゴッドスピード」といったカタカナ語を目にする機会が増えている今日この頃ですが、これらの言葉は一体どういう意味なのでしょうか?

「ゴッド スピード ユー/ラブ」の意味

意味が分からない理由

「ゴッド スピード ユー」や「ゴッド スピード ラブ」の元となる英語は "God" や "speed" や "you" や "love" で、これら1つ1つの意味は中学生でも知っていることでしょう。

ところが、"God speed you" や "God speed love"(この2つをまとめて以下では「God speed you/love.」と表記します)という組み合わせになると意味が分からなくなります。 「神様スピードあなた/愛」では意味が分かりませんよね?

"God speed you/love." の意味を理解できない理由は次の2つです:

  1. 古語として(古い意味で)使われている単語がある。
  2. 省略されているモノがある。

この2点を以下に説明しましょう。

古語

"speed" には「スピード、速度」という意味の他に、次のような古い(現代では一般に使われていない)意味があります:

  1. 【名詞】幸運・成功・繁栄
  2. 【自動詞】~が幸運である、~が成功する、~が繁栄する
  3. 【他動詞】~に幸運・成功・繁栄をもたらす、~を助ける、~に恩恵を与える

"speed" を他動詞の意味に解釈すると、"God speed you/love." は「神があなた/愛に幸運・成功・繁栄をもたらす」という意味に理解できます。

しかし

意味の方向性はこれで間違いありません。 しかし、これでは「ゴッド スピード ユー/ラブ」の意味を100%理解できているとは言えませんし、英語の文法的に不審な点が残ってもいます。

不審な点」とは「どうして "speed" が "speed" という原形のままなのか?」という点です。 "God" は三人称ですから、"God speed you/love" が「神が幸運・成功・繁栄をもたらす」という意味であるなら、 "speed" の語末に 三人称単数現在の "-s" が付いて "speeds" となっているはずです。

この「不審な点」を解消する鍵が次に述べる「省略」です。

省略

"God speed you/love." では、文の先頭に "May" という助動詞が省略されています。

"God speed you/love." は本来は "May God bless you/love." なのです。

不審点の解消

助動詞

には動詞(この話では "speed")を

原形に保つ

作用があります。 "God speed you/love." の "speed" が "speeds" にならないのは、省略されている助動詞 "May" が密かに作用を発揮しているからだったのです。

理解100%

そして、この隠れた "May" の存在により文の意味が変わってきます。 "may" には色々な意味がありますが、"God speed you/love." で隠れている "May" の意味は「~しますように」という祈願の意味です。

したがって、"May God speed you." であれば「神があなたに幸運・成功・繁栄をもたらしますように」という意味です。

同様に、"May God speed love." であれば「神が愛に幸運・成功・繁栄をもたらしますように」という意味です。

"speed" の適訳

ここまで古語の "speed" の意味を便宜上「~に幸運・成功・繁栄をもたらす」として扱ってきましたが、「~を助ける、~に恩恵を与える」という意味もあります。

主語が「神」であることも考慮すれば、"God speed you/love." の "speed" は「祝福する」や「恵みを与える」と訳すとしっくり来るように思います。

したがって "God speed you/love." を自然な日本語に訳すと「あなた(愛)に神の祝福(恵み)がありますように」となります。

まとめ

  • 「ゴッド スピード ユー」は「あなたに神の祝福(恵み)がありますように」という意味。
  • 「ゴッド スピード ラブ」は「愛に神の祝福(恵み)がありますように」という意味。

「ゴッド スピード ユー」同じような意味の言葉に「ゴッド ブレス ユー」があります。

「ゴッドスピード」の意味

吹奏楽の曲の名前などで「ゴッドスピード」だけがカタカナ語として使われることがありますが、この「ゴッドスピード」は "Godspeed"(あるいは "God-speed")をカタカナで表記したものです。

"Godspeed" は "May God speed you." から派生した言葉で、旅立つ人困難に挑まんとする人などに幸運や成功を願うときに使われます。 "Godspeed" は現代でも使われます。
"Godspeed to you and hopefully you'll come and see us at the RDS this summer.
「あなたに神の恵みがあらんことを。 今度の夏にRDSに会いに来ておくれよ」
# 別れ際の言葉ですね。 RDSが何かは不明です。
Eight years before he had seen his friend off at the North Wall and wished him God-speed.
8年前、彼はノース・ウォールで友人を見送り幸運を祈っていた。