「しかしあなたは」では意味が通らない "but you" の意味

"but you" を「しかし、あなたは~」という意味に理解しようとすると理解できないことがあります。 そんなケースにおける "but you" の意味を説明します。

"but you" の意味

「しかし、あなたは~」が通用しないケース

例えば次のような文では、"but you" を「しかし、あなたは~」という意味に解釈して意味が通ります。
My dog is white, but you said it isn't!
ぼくの犬は白い、けれど君はそうじゃないと言った!
# "it" は "my dog" を指す。

上の例文の「けれど(しかし)」に当たるのが "but" です。

ところが次の文では、"but you" を「しかし、あなたは~」という意味に解釈しようとすると意味が通りません。
No one matters but you.
☓ 誰も重要じゃないんだ、しかしあなた(たち)は

# この例文の "one" は不特定の人を意味する言葉。 "matters" は、「重要である」という意味で使われる動詞 "matter" に三単現の "-s" が付いたもの。

"you" には「あなた」の他に「あなたたち」という意味もあるので、ここの "you" は「あなた」かもしれませんし「あなたたち」かもしれません。

"but you" のもう1つの意味

上記の "No one matters but you." の "but you" は、「あなた(たち)を除いては、あなた(たち)以外には」と訳すとスムーズに意味が通ります。
No one matters but you.
あなた(たち)以外には誰も重要じゃないんだ。

"but" の意味

"but" は「しかし」という意味が有名ですが、それに加えて「~を除いては、~のほかは」という意味もあります。 "except" と同じ意味です。

使用パターン

"but you" が「あなた(たち)を除いては、あなた(たち)以外には」の意味で使われる表現のパターンは2つに分けられます:

  1. 「全員」や「ゼロ人」を意味する言葉+他の言葉+"but you"
  2. 「全員」や「ゼロ人」を意味する言葉+"but you"

「全員」や「ゼロ人」を意味する言葉とは、"everybody(みんな)" や "no one(誰も~ない)" や "anyone(誰でも)" などです。

パターン1は "No one matters but you." のような文のことです。

パターン2でよく使われる表現は次のようなものです:

  • no one but you
  • no one else but you
  • nobody but you
  • nobody else but you
  • nothing but you
  • anyone but you
  • anyone else but you
  • everybody but you

上記の各表現の意味は下記の例文を参照してください。

どの表現も意味は「あなた以外は誰も」という感じの意味です。 意味の方向性(否定か肯定か)によって、"no one" や "nobody"なのか "anyone" や "everybody" なのかが異なります。

上の例の "else" は「そのほかの」という意味で使われていますが、意味を強める役割しか果たしていないので気にする必要はありません。

"nothing" はあらゆるものを指してそれが「無い」という意味ですが、「もの」には「人」も含まれるというふうに理解してください。

上の例の "you" はいずれも、「あなたたち~」の意味でもありえます。

パターン1とパターン2の違い

パターン1とパターン2の違いは、"but you" が修飾対象の言葉("no one" や "anyone" など)の直後に来るか来ないかというものでしかありません。

例えば、"No one matters but you." は、 "but you" が No one" の直後に来る "No one but you matters." でも意味は通じます。 しかしそれだと動詞(matters)の前と後とで言葉の量のバランスが取れず頭でっかちな感じなので、"but you" が "matters" の後ろに回ってバランスを取っているわけです。

例文

"but you" が「あなたを除いては、あなた以外には」の意味で使われている例文を以下に挙げます。
I want no one but you.
あなた以外の誰も欲しくない。
# "I want no one." だと「誰も欲しくない」。
I want no one else but you.
あなた以外の何者も欲しくない。
# 上の例文と意味は変わらない。
I want nothing but you
あなた以外には何も欲しくない。
Do you think I want anyone but you, Kamal?
カマル、私が君以外の誰かを欲しがると思うかい?
# "I want anyone but you." だと「あなた以外なら誰でも欲しい」。 "I want anyone." だと「誰でもいいので欲しい」。
I don't think I want anyone but you to know.
私は君以外の誰かに(このことを)知ってもらいたいとは思わない。

# "I want anyone but you to know." では "anyone but you" が "to know(知る)" という不定詞の主語となっている。

"I want anyone to know." なら「私は誰にでも知ってもらいたい」だし、"I want you to know." なら「私はあなたに知ってもらいたい」。
Everybody laughed but you.
あなたを除いて全員が笑った。

# "but you" が修飾対象の言葉(ここでは "everybody")から離れているパターンの例。

"Everybody laughed but you" はスティングという英国のシンガーソングライターの歌のタイトル。 このうたでは「あなたを除いて全員が(私のことを)笑った」という意味。
No one knows but you.
あなたを除いては誰も知らない(あなた以外は誰も知らない)。
# これも "but you" が修飾対象の言葉(ここでは "no one")から離れているパターンの例。
No human being but you could have any chance of prevailing with her.
あなた以外の人類では彼女を説き伏せ得ないだろう。
# 「全員」や「ゼロ人」を意味する言葉として "human being(人類)" が使われている例。 「あなた以外の誰にも~」大げさに「あなた以外の人類には」と言っているだけ。
What you've typed is meaningless to anyone but you. If you want a proper answer write a proper question.
あなたが入力した(ネットの掲示板に書き込んだ)のは、あなた以外にとっては(内容的に)無意味なものだ。 ちゃんとした回答が欲しいなら、ちゃんとした質問を書き込むことだな。
No one can stop her ─ no one but you two.
誰も彼女を止められない ─ 君たち2人を除いてはね。
# "but you" の "you" が「あなたたち」という複数の意味で使われている例。 "you two" は「あなたたち2人」という意味。
No one but you guys and Cleric Amandine know I'm a princess.
あなたたちと僧侶アマンダインの他には誰も私が王女ということを知らないの。
# これも、"but you" の "you" が「あなたたち」の意味で使われている例。 "you guys" は "you" が複数を指す(「あなたたち」という意味である)ことを明示する表現です。(参考:"you" の複数形について分かりやすく解説