"you" の複数形について分かりやすく解説

1. "you" の複数形は?

Q. 英語の "you" の複数形は? どんな単語?

A. "you" の複数形は "you" です。 単数の「あなた」と複数の「あなたたち」のどちらも "you" で言い表します。

「私」は単数形の "I" と複数形の "we" がありますが、「あなた」は単数形も複数形も "you" です。

そして、単数の "you" も複数の "you" も一緒に使われる動詞の形が全く同じです。 例えばBe動詞の場合、単数の "you" も複数の "you" も共に使われるのは "are" や "were" です。

2. 単数と複数の区別は?

Q. それじゃあ、英語ではどうやって "you" が「あなた」なのか「あなたたち」なのかを区別するの?

A. "you" という言葉が使われる状況で判断します。 したがって、「あなた」なのか「あなたたち」なのか区別できないこともあります。

例えば、次の文で "You" は単数でしかあり得ません
You are my son.
お前は私の息子だ。

"my son" が「1人」という意味を含むので、"my son" とイコールの関係にある "You" も必然的に単数(あなた)です。

この文で仮に "You" を「あなたたち」の意味で使うなら、"my son" は "my sons" と複数形になります。

ですが例えば次の文では、"You" が単数なのか複数なのか判断が付きません
You were born in 1958.
あなた/あなたたちは 1958年に生まれた。

"You" の数に関する情報が、この文のどこにも存在しないためです。

3. どうしても区別したいなら

Q. 自分の発言や文章で「この "you" は複数を指すよ!」と明示したいときにはどうするの?

A. "you guys" などの表現を用います。

"guys" は「男の人」を意味する名詞 "guy" の複数形。 そして、"you guys" は同格の表現で「you = guys」です。

ゆえに、"you guys" という表現を受け取った相手は、複数形である "guys" とイコールの "you" も複数形だと理解します。

女性だけのグループを指す場合

"guy" は男性を意味しますが、"you guys" は女性を指すのにも用いられます。 女性だけの複数名を指し示すには "you girls (gals)" も用いられます。

"you guys" の類似表現

"you guys" の類似表現に "you all" や "y'all" もあります。 こちらも、複数形を明示する語 "all" を用いることで、"you" が複数だと明らかにしています。
"y'all" は "you all" の短縮形で、英国では「ヨール」、英国では「ヤール」と発音します。 "you all" も "y'all" も現代では米国南部でよく用いられます。

英国では "you lot" も用いられますが、"you lot" は相手を軽んじるニュアンスを含むとされます。「おまえら」といったところでしょう。

4. 英語の「あなた」も昔は単数形と複数形に分かれていた

19世紀よりも前の英語では、"you" に相当する語が単数形複数形に分かれていました。 "thou" と "ye" がそれです。 "thou" が単数の「あなた」を意味し、"ye" が複数の「あなたたち」を意味します。

"thou" と "ye" に対応する日本語は「汝(なんじ)」や「汝ら」です。

"thou" も "ye" も古い書物で見かけるほか、小説などで古めかしい雰囲気を出すのに用いられます。 現代日本の漫画や小説や映画で「汝(ら)」が使われるのと同じです。

一部の地域では未だに "ye" が現役で、「あなたたち」の意味で使われています。

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