"but you" は「しかし、あなたは~」と訳すと意味が通らないことがあります。 そんなケースにおける "but you" の意味を説明します。
1. "but you" の意味
1.1. 「しかし、あなたは~」が通用しないケース
例えば次の文は、"but you" を「しかし、あなたは~」と訳して意味が通ります。# この例文の "one" は不特定の人を意味する言葉。 "matters" は「重要である」を意味する動詞 "matter" に三単現の "-s" が付いたもの。
"you" には「あなた」のほか「あなたたち」という意味もあります。 ここの "you" は「あなた」かもしれませんし「あなたたち」かもしれません。1.2. 「しかし、あなた」ではない "but you"
上の 2つの "but you" は、次のように訳すとスムーズに意味が通ります。1.3. "but" の「しかし」以外の意味
"but" は「しかし」という意味が有名ですが、それに加えて次の2つの意味があります:
- ~を除いては、~のほかは (=except)
- ~だけ (=only, merely, just)
"No one matters but you." の "but" が 1. の意味で、"I love but you." の "but" が 2. の意味です。
"but" が「~だけ」の意味で使われるのは詩や文学作品など一部のケースです。 "but you" の "but" が「~だけ」の意味であることは少ないので、以下では「~を除いては、~のほかは」の意味の "but" について説明します。
2. 表現パターンの分類
2.1. パターンは2つ
"but you" が「あなた(たち)を除いては、あなた(たち)以外には」の意味で使われる表現は次の2つのパターンに分けられます:
- 「全員」や「ゼロ人」を意味する言葉 + 他の言葉 + "but you"
- 「全員」や「ゼロ人」を意味する言葉 + "but you"
「全員」や「ゼロ人」を意味する言葉とは、"everybody(みんな)" や "no one(誰も~ない)" や "anyone(誰でも)" などです。
パターン 1.
パターン 1. は "No one matters but you." のような文のことです。 この文の "matters" が上の分類の「他の言葉」に相当します。
パターン 2.
パターン 2. でよく使われる表現は次のようなものです:
- no one but you
- no one else but you
- nobody but you
- nobody else but you
- nothing but you
- anyone but you
- anyone else but you
- everybody but you
パターン 2. の各表現は、どれも「あなた(たち)以外は誰も」という感じの意味です。 意味の方向性(否定か肯定か)によって、"no one" や "nobody" か "anyone" や "everybody" かが異なります。
パターン 2. に使われる "else" は「そのほかの」の意味ですが、意味を強める役割しか持たないので気にしなくてOKです。
2.2. パターン 1. とパターン 2. の違い
パターン 1. とパターン 2. の違いは、"but you" がターゲットとなる(修飾対象の)言葉("no one" や "anyone" など)の直後に来るか来ないかです。
例えば、"No one matters but you." は、 "but you" が No one" の直後に来る "No one but you matters." でも同じ意味です。 でもそれだと動詞(matters)の前と後とで言葉の量のバランスが取れず頭でっかちなので、"but you" が "matters" の後ろに回ってバランスを取っています。
3. 例文
以下は、"but you" が「あなたを除いては、あなた以外には」の意味で使われる例文です(例文数は11)。# "I want anyone but you to know." では "anyone but you" が "to know(知る)" という動作(不定詞)の主語。
"I want anyone to know." なら「私は誰にでも知ってもらいたい」。 "I want you to know." なら「私はあなたに知ってもらいたい」。