質問: 英語の「ワイズ」とは、どういう意味ですか?
回答: 対応する英語が3つあります。 次の3つです:
- wise ・・・「賢明な」などを意味する形容詞
- -wise ・・・「~の方向に、~的に」などを意味する接尾辞
- y's/Y's ・・・「複数の "y/Y"、複数の何故/疑問」を意味する名詞
詳しくは以下をご覧ください。
1. wise
"wise" の詳しい意味は次の通り(特記する場合を除いて形容詞):
- 賢明な、分別がある
- (経験や知識ゆえに)賢い
- 抜け目がない、ずる賢い
- 知って、情報に通じて(1)
- 偉そうな、生意気な、自信過剰の(2)
- 《動詞》(物事を)知る/知らせる、賢明になる/する(3)
(1) 多くは、内部情報や誰かが隠したい事柄に関して。 この意味の "wise" は前置詞 "to" と共に用いる。 例えば、"get wise to" で「(そんな情報を)知る」、"be wise to" で「(そんな情報を)知っている」。 "put~ wise to..." で「~に ...を知らせる/警告する」。
(2)「物事を知った気になった」の意味が転じたのだろう。
(3) 副詞 "up" と共に用いるのが普通。 例. "I wised him up."、"He wised up."2. -wise
接尾辞 "-wise" は形容詞または副詞に使われ、次の意味を持ちます:
- ~の方向に/の、~の向きに/の(1)
- ~の様態で/の、~なふうに/な(2)
- ~に関して/関する、~の面では/での、~的には/な(3)
- ~ずつ(の)、~単位で(の)(4)
(1) 例. clockwise 時計回りに/の
(2) 例. likewise 同様に/の | otherwise 別の様態で、さもなくば | lienwise ライン状に/の
(3) 例. businesswise ビジネス面では/の | coffee-wise コーヒー的な、コーヒーに関して
(4) 例. dropwise 一滴ずつ(の) | hourwise 1時間ごとに/の、1時間単位で/の | lienwise 一行単位で/の"coffee-wise" から分かるように、"-wise" は造語によく用いられます。 日本語の「~的に」と同じ感覚で、一般市民が好きな言葉の後ろに "-wise" を付けて新しく言葉を生み出します。
3. y's/Y's
"y/Y" という文字の複数形
"y's" と "Y's" は "y/Y" という文字の複数形を表します。
アルファベット1文字を複数形にするときはアポストロフィー記号(')を用いるのが正統的。 なので、"ys/Ys" ではなく "y's/Y's" です。次に用例を示します。
1. ten Y's
2. What does "heyyy" with 3 y's mean?1. 10の "Y" という文字
2. "y" の字が3つある "heyyy" の意味は?「複数の何故/疑問」の意味での "y/Y's"
"y/Y" は疑問詞 "why" と発音がほぼ同じなので、口語的な文では "why" の意味で "y" と表記することがあります。 なので、"y's/Y's" は "whys" の意味にもなり得ます。
"why" は本来は「何故(なぜ)? どうして?」を意味する副詞。 それが転じて「何故、理由」を意味する名詞としても用いられます。 "whys" は名詞としての "why" の複数形です。
次に用例を示します。
# 出典は Reinsurance Group of America という再保険会社のブログの記事。
用例の「(Whys)」は私が書き加えたのではなく、出典に元々あったもの。"why" の実際の英語での発音は「ホワイ」ではなく「ワイ」。 ですから、「ワイズ」を("y's/Y's" ではなく)"whys" 自体の複数形と見なすのも可能。 ですが、"why" のカタカナ表記は慣例的に「ホワイ」。 なので、"whys" のカタカナ表記は「ホワイズ」が妥当。 よって、「ワイズ」の原語を "y's/Y's" のみとしました。