「バイス」の色々な意味

「バイス(ヴァイス)」というカタカナ語が使われることがありますが、この言葉はどういう意味なのでしょうか?

「バイス」の原語

「バイス(ヴァイス)」は "vice" あるいは "vise" という英語をカタカナで表記した言葉です。

"vice" の意味

"vice" の意味は次のようなものです:

名詞

  1. 悪習・悪癖
  2. 悪行
  3. (性格や容姿などの)欠点
  4. 暴力を伴わない犯罪行為(麻薬の売買や売春など)
  5. 道化師
  6. 「ヴァイス」という人名(劇などで悪役の名前に使われる)
  7. 誰かの代理を務める者(副大統領など)

形容詞

  1. (名詞と組み合わせて用いて)副~、~代理

例えば、"vice-president" は「大統領、社長」という意味、"vice-chairman" は「議長」という意味になります。

「誰かの代理を務める~」というのが形容詞 "vice" の意味です。 「総督、太守」を英語で "viceroy" と言いますが、これも「総督、太守」が国王などの代理人として自分の担当地域を収めるからでしょう。("roy" は中世フランス語で「王」を意味する)

"vice" の語源

名詞 1.~5. の "vice" の語源は、「欠点、汚点」を意味するラテン語の名詞 "vitium" です。

形容詞の "vice" の語源は、「~の代わりに」を意味するラテン語の前置詞 "vice" です。

名詞 7. の "vice"(誰かの代理を務める者)は、"vice-president" など "vice" が用いられた語のハイフン(-)より後ろが省略されて生じた意味でしょう。

"vise" の意味

"vise" は「万力」という意味です。 「万力で締める、固定する」という動詞としての意味もあります。

"vice" と "vise"

"vice" の意味で "vise" と綴(つづ)られることがありますし、逆に "vise" の意味で "vice" と綴られることもあります。

カタカナ語「バイス」の用例

米国映画「マイアミ・バイス」

マイアミ・バイス」というタイトルの米国ドラマや米国映画がありますが、この「バイス」は「暴力を伴わない犯罪行為」の意味です。 「マイアミ・バイス」は売春や麻薬などの犯罪を捜査する刑事のお話です。

米国映画「バイス」

2019年4月に「バイス」というタイトルの米国映画が日本で公開されますが、このタイトルの「バイス」「副大統領」という意味です。 この映画で描かれるのが、米国で副大統領を務めたディック・チェイニー氏だからです。

万力を意味する「バイス」

「万力」の意味で「バイス」というカタカナ語が普通に使われています。 この「バイス」は "vise" です。

また、「アクセル・ワールド」という小説に「ブラック・バイス」というキャラクターが出てきますが、この「バイス」は万力(vise)の意味で使われているはずです。 ブラック・バイスは、体を万力のように変化させて相手の体を締め上げる技を使います。

地名の「バイス」

フィリピンに「バイス」という名前の市や湾があります。 この「バイス」は "bais" という綴りです。

ネジを意味する「ビス」

「バイス」に似るカタカナ語に「ビス」がありますが、この「ビス」は「ねじ」という意味です。 カタカナ語「ビス」の原語はフランス語の "vis" です。