1. 共通点
"though" と "although" はどちらも基本的な意味が「~だけれど」で、言葉の使い方も大体において同じです。 例えば次の2つの文は同じ意味です
Although she smiled, she was angry.
彼女は微笑んではいたものの立腹していた。
Though she smiled, she was angry.
彼女は微笑んではいたものの立腹していた。
2. 相違点
2.1. "though" だけの用法
2.1.1. 省略
"The American Heritage Book of English Usage" によると、省略された節を導けるのは "though" だけです。
Most people in attendance applauded loudly after the performance, though not everyone.
ただし、省略するのではなく代動詞を用いるなら "although" OKです。 次の例文は、ネット検索で見つけたそんな用例のうちの1つです。
出席者の大部分はそのパフォーマンスに喝采を送ったが、全員というわけではなかった。
# "though not everyone" の後ろに "applauded loudly" が省略されている。
I survived to tell it, although not everyone did.
私はこうして生き残り話を伝えることが出来た。 全員が生き残れたわけじゃないがね。
# "did" が "survive (to tell)" の代動詞。
2.1.2. 倒置
"The American Heritage Book of English Usage" では "though" しか使えないケースとして、もう1つ次の文も挙げています。
Fond though I am of sports, I'd rather not sit through another basketball game.
私はスポーツは好きだけれど、バスケをもう1試合最後まで観戦したいとは思わない。
上の文は倒置("Fond though I am of" の部分)が特徴ですから、倒置が生じている部分には "although" を使えないということでしょう。 私の英語の言語感覚でも使える気がしません。
2.1.3. 副詞として
"though" には "although" と違って、文末に付け加えられて「~だけどね」や「でも~」といった意味("nevertheless" と同じような意味)になる口語的な用法もあります。
A Rolex for £150 is a great bargain. Is it real though?
ロレックスの腕時計が150ポンドというのは本当に安いね。 でも本物なの?(偽ブランド品じゃないの?)
Snow is not predicted; we can expect some rain, though.
雪が降る予報ではないよ。 雨は降るかもしれないけどね。
2.2. "although" だけの用法
等位接続詞として
"although" は "but(しかし~)" や "however(しかしながら~)" と同じ意味でも用いられますが、"though" にこの意味はありません。
She is poor, althouth she is satisfied.
彼女は貧しいけれど(生活に)満足している。
上の例文の "although" を "though" にも共通する「~だけれど」の意味に理解しようとすると、「彼女は満足しているけれども貧乏だ」と不自然な意味になります。
要するに、"although" は "but" などと同じ等位接続詞としても用いられるが "though" には等位接続詞としての用法がない(少なくとも辞書には載っていない)ということです。
"although" と "though" に共通の用法は、従属接続詞(従属節を導く)としての用法。