英語の格言 "The only place where success comes before work is in the dictionary." について説明します。
1. 和訳と意味
1.1. 逐語訳
1.2. 自然な和訳
1.3. 格言の意味
2. 解説
英語の辞書ではアルファベット順に単語を記載しますから、"s" で始まる "succes（成功）" は "w" で始まる "work（努力）" よりも前のページに記載されています。
よって、辞書では "success" という語よりも "work" という語が先に来ます。
一方この格言は「辞書以外では成功が努力より先に来ない」と言っています。 つまり、現実の世界では常に「努力」が「成功」よりも先に存在するわけです。
ゆえに、この格言が言わんとするのは「努力なくして成功はない」です。
3. 誰の言葉？
この格言は、ヘアドレッサーにして実業家であったヴィダル・サスーン（1928～2012年）の言葉だとされています。 ヴィダル・サスーンは英国生まれのイスラエル人です。
4. 英語の説明
以下では、"The only place where success comes before work is in the dictionary." という格言を次のパーツに分解して説明します：
4.1. The only place
「唯一の場所」という意味です。
- "only"・・・「唯一の」
- "place" ・・・「場所」
4.2. where
この "where" は関係副詞で、"in which" に置き換えることができます。
この "...where～" は「～するような...」と訳します。
「...」に当たるのが "The only place" です。
「～」に当たるのが "success comes before work" です。
ですので、「"success comes before work" するような "The only place"」となります。
4.3. success comes before work
「成功が努力の前に来る」という意味です。
この部分だけで独立した文と（Success comes before work.）しても存在し得ます。
"Success" が主語で、"comes" が動詞です。
"Success" の意味
"success" には「成し遂げること」という意味と「富や名声を手に入れること」という意味があります。
前者は「特定の何かを成し遂げる」という意味での「成功」で、後者は「人生における成功や社会的な成功」という意味での「成功」です。 この格言の "success" がどちらの意味かは、この文だけでは不明です。
"work" の意味
この格言において "work" は「仕事、労働、作業、労力」といった意味で使われていますが、このページでは「努力」と訳しています。
4.4. in the dictionary
「辞書の中に（の）」という意味です。
「辞書の中に」であれば副詞句、「辞書の中の」であれば形容詞句です。
この格言では副詞句として使われているので「辞書の中に」と訳します。
4.5. is
"is" はＢｅ動詞です。 Ｂｅ動詞の基本的な意味は「（～に）ある、存在する」と「～である」です。 この格言の "is" は「（～に）ある、存在する」のほうの意味です。 Ｂｅ動詞の補語（1）の位置に前置詞句（2）が来ることはないからです。
（1） 例えば "I am a student." の "student"。 ５文型の「ＳＶＣ」の「Ｃ」。
（2） この格言で言えば "in the dictionary"。 前置詞句とは、前置詞が他の語と共に用いられて形容詞や副詞として機能するもの。「～である」のケース
この格言の亜種に次のようなものがあります："in the dictionary." の部分が "a dictionary." となっていて前置詞 "in" がありません。
亜種では、"is" が「～である」の意味で使われています。 亜種のほうが文章として自然な感じです。 だからこそ、こういう亜種が生まれたのだと思います。4.6. 全体像
"The only place where success comes before work is in the dictionary." 全体は「主部＋動詞＋副詞句」という構造です。
- 主部（主語） → "The only place where success comes before work"
- 動詞 → "is"
- 副詞句 → "in the dictionary"
学校英語で習う５文型で言えば第一文型（Ｓ＋Ｖ）です。 上述の亜種は第二文型（Ｓ＋Ｖ＋Ｃ）です。