"the longer it takes" の意味と解説

"the longer it takes" の意味を説明します。

1. 意味

"the longer it takes" は「所要時間が長くなる(ほど)」という意味です。

2. 解説

"the longer it takes" は次の構造を持つ文(構文)の一部です:

the 比較級①(+主語+動詞)+ the 比較級②(+主語+動詞)

この構文は「比較級①であるほど、比較級②である」という意味です。

"the longer it takes" は比較級①の部分に来ることも、比較級②の部分に来ることもあります。

"the longer it takes" が比較級①の部分に来るときと比較級②の部分に来るときとで訳し方は異なります:

  • 比較級のときには「所要時間が長くなるほど」と訳します。
  • 比較級のときには「所要時間が長くなる」と訳します。

2.1. 例文

The longer it takes to happen, the more you appreciate when it finally does.
実現に要する時間が長いほど、それがようやく生じたときの有り難み(ありがたさ)が増す。
# "the longer it takes" が比較級①の部分に来ているケースです。
The faster you are driving, the longer it takes for you to react to other drivers' unexpected moves.
(自動車を)運転する速度が速いほど、他のドライバーの思わぬ動きに反応するのに要する時間が長くなります。
# "the longer it takes" が比較級②の部分に来ているケースです。

2.2. 文法

2.2.1. "it" について

"the longer it takes" の "it" は形式主語だと考えて良いでしょう(*)
(*) "the longer it takes" の "it" が文中の既出の名詞を指し示して「それ」の意味で使われているケースも稀にはあるかもしれませんが、今回探した例文では、そういうケースは見当たりませんでした。
形式主語とは

形式主語とは、主部が不定詞や名詞節などで長くなるときに、主部が本来ある位置に仮の主語として "it" を置くというものです。

以下で、上に挙げた2つの例文を用いて形式主語がどのようなものかを説明します。

1つ目の例文の場合
The longer it takes to happen, the more you appreciate when it finally does.
実現に要する時間が長いほど、それがようやく生じたときの有り難み(ありがたさ)が増す。

この例文の "it takes to happen" の主部は "to happen" です。

この "to happen" は不定詞の名詞的用法で、「生じること」という意味(*)です。
(*) 上の例文の和訳では "to happen" を「実現すること」と訳しています。

"it takes to happen" の本来の語順は "to happen(←主部) takes(←動詞)" です。

しかし、主部が不定詞のときには形式主語が使われるのが常なので、仮の主語として "it" を持ってきて "to happen" を後ろに回し、"it takes to happen" となっています。

2つ目の例文の場合
The faster you are driving, the longer it takes for you to react to other drivers' unexpected moves.
(自動車を)運転する速度が速いほど、他のドライバーの思わぬ動きに反応するのに要する時間が長くなります。
上の例文の太字の部分では、次の箇所が主部です:
for you to react to other drivers' unexpected moves
あなたが他のドライバーの思わぬ動きに反応すること
# "you" は不定詞 "to react" の主語。 不定詞の主語を示すのに使われるのが "for"。
"it takes for you to react to other drivers' unexpected moves" を、形式主語の "it" を使わない状態に戻すと次のようになります(太字の部分が主部):
for you to stop to react to other drivers' unexpected moves takes

主部が長すぎて頭でっかちになっています。 この頭でっかちを解消するために、主部の位置に仮の主語として "it" を置いて、本来の主部を後ろに回したわけです。

2.2.2. 「時間」を意味する語はどこ?

"the longer it takes" では「時間」を意味する語が省略されています。

省略されている語は "time" だと考えて差し支えありません。

省略されている "time" を補うと次のようになります:
the longer (time) it takes
省略されているのが「時間」以外であることは?

理屈の上では、"the longer it takes" で省略されているのが "time" 以外のもの(例えば「距離」)であることも考えられます。

しかし、"the longer it takes" で Google で検索した限りでは、そういうケースは見つかりませんでした。

代わりに次の文が見つかりました。 次の文では、"the longer" の後ろに "distance" が省略されずに残っています。

The faster the speed, the longer distance it takes to stop.
速度が速いほど、(車が)止まるのに必要な距離が長くなる。
# 直訳は「(車は)止まるのに、より長い距離を必要とする」。

"the longer it takes" では、"longer" の後ろに必ず何かの名詞が省略されています。 しかし慣用的に、そのように省略されるのは "time" だけなのでしょう。

"time" 以外のものが省略されているケースもあるかもしれませんが、その場合には省略されている単語が文の前後から明らかであるに違いありません。

2.2.3. "the" について

形容詞の比較級に "the" が使われることは普通はありません("the" が付くのは最上級)が、「the 比較級①+ the 比較級②」は構文なので例外的に "the" が使われます。

2.2.4. "takes" について

"the longer it takes" の "take" は「要する、必要とする」という意味です。

以下は、"take" が「要する、必要とする」の意味で使われている例文です。
It takes money to live in this town.
この町で暮らすのは、おカネがかかる。
It only takes a few minutes to wash the car.
その車はわずか数分で洗える。(洗うのに数分のみ要する)
It takes nerve to do what she did.
彼女がやったことをするには度胸が必要だ。
この意味の "take" は主語が "it" になることが多いですが、そうでないこともあります。
This camera takes 35-millimeter film.
このカメラには35ミリのフィルムが必要だ。

3. おまけの例文

"time" 以外のものが省略されているケースを求めて検索していて良さそうな例文がいくつも見つかったので、せっかくなので掲載しておきます。
The more you scratch, the longer it takes to heal.
(治りかけた傷口が痒いからといって)掻くほどに、治るのが遅くなる。
# 直訳は「治るのにより長い時間がかかる」。 "scratch" は「掻く」、"heal" は「治る」。
The longer a pendulum is, the longer it takes to swing.
振り子が長いほど、揺れるのに時間がかかる。
# 時計の振り子が長いほど、1往復に要する時間が長くなる。 "pendulum" が「振り子」。
The farther something falls, the longer it takes to hit the ground!
落下する距離が長いほど地面に激突するまでの時間が長い!
The longer it takes to find a bug, the smaller the required fix will be.
(コンピューター・プログラムの)バグを見つけるのに要する時間が長いほど、バグの修正(fix)は少なくてすむだろう。
# 小さいバグ(不具合)は見つけにくいが、小さいだけに、いったん見つかれば直すのは簡単。
The longer it takes to agree, the less valuable it is.
合意に達するまでの所要時間が長いほど、その合意は価値が低い。
# 揉めに揉めたすえに(長い時間をかけて)なされた合意は、合意の当事者たちがそれぞれに随分と妥協した合意だから、合意が守られなかったりすぐに破棄されたりする、という意味でしょう。
The longer it takes to learn it, the longer you will have the skill.
習得に要する時間が長い技術ほど失われにくい。
# 簡単に身についたスキルは簡単に忘れてしまうけれど...
The longer it takes to hear back after an interview, the less likely it is that you'll be receiving good news.
面接後の(面接した会社からの)返事が遅いほど、その返事が吉報(採用)である可能性が低くなる。