"that that" は、あり得る?
"that" が二回続く "that that" という表現はあり得ます。
"that that" の意味は?
"that that" 自体には意味と言えるほどのものはありません。
"that that" の構造は?
"that that" の1つ目の "that" は接続詞(名詞節を導く "that")または関係代名詞です。
"that that" の2つ目の "that" は代名詞(それ)または形容詞(その~)です。
他にもパターンがあるかもしれませんが、基本的にはこんな感じです。
以下に示す例文で、"that that" の使われ方を掴んでください。 ただし、例文の数が多いので、それなりの覚悟が必要です。
例文
# 1つ目の "that" は同格の "that" です。 「"doubt" の内容が "that choice was the correct one" だ」という関係を示すのに用いられています。
"a doubt that that choice was the correct one" を直訳すると「その選択が正しいものだった(のか)という疑い」となります。 「という」の部分が1つ目の "that" です。
2つ目の "that" は「その、あの」という意味の形容詞(限定詞)です。# 1つ目の "that" は名詞節を導く接続詞です。 省略も可能ですが、この例文では省略されておらず、その結果 "that" が2つ続いています。
2つ目の "that" は「その、あの」という意味の形容詞。 "that purpose" は、その前に出ている "a purpose" を指しています。
"realize" はここでは「実現する」という意味、"by virtue of~" は「~により、~のおかげで」などの意味です。# "that that" の1つ目の "that" は、"so that~" という構文の一部です。
"so that~" は「~できるように、~するように」という意味です。 "so that~" の "that" は省略が可能です。(例. "so that you can fly(君が飛べるように)" → "so you can fly")
"that that" の2つ目の "that" は、"the alleged infringing party" を指しています。 "party" は「当事者」という意味です。 "person" は「人」という意味ですが、個人も法人も指し得ます。 "party(当事者)" と "person(人)" とで意味の範囲が重なるので、"that person(その人)" で "the alleged infringing party" を指し示せます。# 1つ目の "that" は名詞節を導く接続詞で、2つ目の "that" は「あの、その」の意味です。
"rather" はそこまでの文脈の関係で放り込まれているだけなので、これを取り去っても文としては成立します。
"rather" を取り去り "I would say that that is fortunate." とすると、1つ目の "that" が "say that~" の "that" であると分かりやすいでしょう。# 1つ上の例文と同じく "rather that that" となっているパターン。
1つ目の "that" は名詞節を導く接続詞で、2つ目の "that" は「あの、その」の意味です。
"that that" の1つ目の "that" は、もっと前のほうにある "that"(太字)の "that" と同じような位置づけです。 "rather" と "that that" の間に "implies(含意する、暗に意味する)" が省略されています。
1つ目の "that" 以下 が "does not imply(含意しない)" の内容を表すのに対して、2つ目の "that" 以下は "implies(含意する)" の内容を表すので、この両者の対比を示すのに "rather" が使われています。# 1つ目の "that" は名詞節を導く接続詞で、2つ目の "that" は「あれ、それ」という代名詞です。
"that that which" の "that which" は関係代名詞の "what(~なもの)" に置き換え可能で、そのように置き換えると次のようになります:
"...thinking that what does not make a profit is without value"
"what does not make a profit" の部分は「利益を生まないモノ」という意味です。# 例文中の数字は、説明のため私が追加したものです。 この例文の5つの "that" の機能は次の通り:
(1)・・・名詞節を導く "that"
(2)・・・「その」
(3)・・・'that' という言葉
(4)・・・関係代名詞
(5)・・・「あの」
# Merriam-Websterという辞書から拾ってきた一文です。
この例文では、2つ目の "that" が「"that" という言葉」の意味で使われています。 それが理由で斜字(イタリック)体になっています。 1つ目の "that" は同格の "that"。文章ミスによる "that that" と、そうでない "that that"
"that" が1つでいいのに間違えて2回繰り返すとか、本来は "than that" であるのが入力ミスで "that" の繰り返しになっているといった理由で、ミスのために "that that" になっている場合も少なくありません。
こういう "that that" は文章が間違っているので、どれだけ頭を捻っても理解できません。
以下に、文章ミスとしての "that that" の例文を記載します。# この "that that" は正しくは "that" です。 "that" 1回で十分です。 この "that" は省略も可能なので、"that" がゼロでも大丈夫です。
この例文のように "that that" の次に冠詞が来ていれば、その "that that" は "that" の間違いだと考えて良いでしょう。 このように言えるのは、"that that" の2つ目の "that" は限定詞(その~、あの~)か代名詞(それ、あれ)かであり、いずれにしても冠詞と共には用いられないためです。# これも上の例文と同じミスです。 "that that" の後ろに定冠詞 "the" が来ているので、一目でミスとわかります。
カリフォルニアの裁判所のサイトで見つけた文ですが、このように信頼性が高いはずの文書であっても、文章上のミスが発生しているわけです。# この "that that" も正しくは "that" 一回。 "that that" の後ろに "this" が来ているので、"that that" が間違いだと判断しやすい。
"that this" という言葉の連続はあり得ます(例. ...said that this is...)が、"that that this" はあり得ません(そのはずです)。# ネットの古着売買の書き込みでしょう。
この "that that" は "than that" の間違いです。 "other than" の "than" を "that" と打ち間違えたのでしょう。 よくあるミスです。 "rather than that" と書こうとして "rather that that" になってしまっているケースもあります。# この "that that" も正しくは "that" 一回です。
"that that" の後ろに前置詞が続いている場合にも、その "that that" が "that" 一回の間違いだと考えて、まず間違いないでしょう。# この "that that" も正しくは "that" 一回です。
しかし、文脈によっては "that that you" が正しいこともあり得ます。 その場合、Dale said that that you didn't even have herpes." は「デイルは、あのキミがヘルペス(感染症)ではないと言った。」という訳になります。
"you" などの人称代名詞は "this you(このあなた)" や "that me(その私)" といった具合に、指示形容詞としての "this" や "that" などと共に使われることがあるので、"that that you" という表現が意図的に使われているケースもあり得なくはありません。