質問:「スワンプ」とは、どういう意味ですか?
回答:「沼」という意味です。
詳しくは以下をご覧ください。
1. 英語に戻すと
「スワンプ」を英語に戻すと "swamp"。 この "swamp" の意味が「沼」です。
2. 定義
2.1. "swamp" の定義
"swamp" の定義は2つあります:
- 常に水に覆われる低地。
- 時折(または頻繁に)水に覆われる低湿地。 あるいは、部分的に水に覆われる低湿地。 地面は柔らかい。 草や樹木が生えていることが多い。
2. の定義が優勢です。 "swamp" の水は淡水とは限らず、汽水や海水のこともあります。
2.2. 日本語の定義
"swamp" に対応する日本語の定義(*) は次の通り:
- 沼(ぬま)・・・ 湖より浅い水域。ふつう、水深5メートル以内で、フサモ・クロモなどの水中植物が繁茂する
- 沢(さわ)・・・ ①浅く水がたまり、草が生えている湿地。 ②山あいの比較的小さい渓谷
- 沼沢(しょうたく)・・・ ①沼と沢。 ②沼より浅く、水深1メートル以下でアシなどの抽水 (ちゅうすい) 植物が繁茂する所。
(*) 『デジタル大辞泉(小学館)』による。
2.3. 訳語の問題
正統的な訳語は「沢」や「沼沢」
上記の日英の定義を見比べると、"swamp" の訳語にふさわしいのは「沢」か「沼沢」(あるいは「湿地」)です。
でも実際には「沼」が適切
「沼」のイメージは浅い
しかし国語辞典の定義に反して、実際の日本語で「沼」のイメージは「底が泥になっていて歩ける水深の浅い池あるいは湿地」でしょう。 歩ける程度の浅い水深だからこそ足場が問題になり「泥沼」や「底なし沼」という表現が活きます。
水深が2m、いや1.5mでもあれば底なし沼は底なし沼として機能しません。
「沼」はポピュラー
また、「沼」という日本語は「沼沢」よりポピュラーですし、「沢」と聞いて平均的な日本人が思い浮かべるのは「山あいの比較的小さい渓谷」のほう。「浅く水がたまり、草が生えている湿地」なんて意味は思い浮かべません。
なので
なので "swamp" に対応する正統的な日本語は「沢」や「沼沢」ですが、日常的な訳語としては「沼」で良いでしょう。(*)
"swamp" の訳語として「湿地」も捨てがたいが、「湿地」は "marsh" の訳語に取っておきたい。 "marsh" は "swamp" より水気が少ない。
3. "swamp" の他の意味
3.1. 比喩的な意味
"swamp" は比喩的に、「(沼にはまり身動きが取れないような)困難な状況や問題」の意味でも使われます。
3.2. 動詞の意味
"swamp" は元々は名詞ですが、動詞としても使われます。
動詞としての意味は次の通り:
- 水浸しにする、水で満たす(*)
- 溢れさせる、超過させる、キャパオーバーにする
(*) 「水浸し」と「水で満たす」の違いは水を溜める形状か否か。 例えば、津波が船を "swamp" したなら、「水で満たす」。 津波が町を "swamp" するなら「水浸しにする」。
次に、動詞 "swamp" の 2. の意味での用例を2つ挙げます。
She was swamped with work.
彼女は仕事で溢れ返った。
# 扱える以上の仕事を割り当てられた。 仕事でキャパオーバーになった。
In the summer the village is swamped by visitors.
夏になると、村は観光客で溢れ返る。
# 夏には、村の受け入れ能力を超える数の観光客が訪れる。