"hyperstition" の例と言えなくもなさそうな実例をご紹介しましょう。

その実例とは『Doveland, Wisconsin』です。

『Doveland, Wisconsin』の概要

米国ウィスコンシン州のダブランドは 1990年代に消滅した小さな町。

次のように主張する人がいる：

• ダブランド？ ああ、そんな町が昔あったね。
• ダブランドに親戚がいるよ。
• 「ウィスコンシン州ダブランド」と書かれたマグカップ（あるいはＴシャツなど）を持ってるぜ。
• ダブランドで撮った写真があるぞ。

ダブランドで撮ったと伝えられる写真

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だが、ダブランドは公文書や文献で言及された形跡が無く、昔の地図にも載っていない。

人々の記憶や品にダブランドが存在した証拠が残っているのに、どうしてダブランドは存在しなかったことになっているのか...？

きっと作り話

都市伝説『Doveland, Wisconsin』は作り話だと思われます。 仮にウィスコンシン州ダブランドがダム建設や米軍の秘密実験の犠牲となって消滅したにしても、既存の公文書・文献・地図のすべてからダブランドの存在を抹消するのは不可能ですから。

現実へのフィードバック（ハイパースティション）

ところが現在、次の事態が生じています：

• Google 検索で "Doveland" と入力すると Wisconsin" とサジェストされる。 多数の人が "Doveland, Wisconsin" というキーワードで検索していることの表れ。
• "Doveland, Wisconsin" と書かれた衣服が実際に売られている。

こうした現象は都市伝説『Doveland, Wisconsin』が生まれた後で発生したと考えられます。 これを「ハイパースティション」と呼ぶのは難しい（ダブランドという町が出来たわけではない）ですが、少なくともハイパースティションの萌芽とは言えそうです。

もし今後、米国ウィスコンシン州にダブランドという町が実際に作られれば（米国のことだから、あり得ない話でもない）それは紛れもなくハイパースティションです。

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