「シャビー」というカタカナ語と、その原語にあたる英語 "shabby" の意味を比較します。
カタカナ語の「シャビー」
goo国語辞典(デジタル大辞泉)には、次のようにあります:
[形動]みすぼらしいさま。また、古めかしいさま。「シャビーなインテリア」「シャビールック」
Weblio(実用日本語表現辞典)には、次のようにあります:
「みすぼらしい」「古ぼけて汚い」といった意味。
「シャビー」の用途
カタカナ語の「シャビー」はファッションやインテリアの分野で(ファッションの一種としてポジティブな意味合いで)使われることが多いようですが、そればかりではありません。
自民党の礒崎陽輔さん(内閣総理大臣補佐官)の Twitter の発言では、次のように「シャビー」という言葉が使われています。
全国民に給付金を交付しろとは、一体どんな思想の人たちが言っているのでしょうか。金持ちに無駄銭を配る必要はありません。しっかりと困っている人に重点化すべきです。ただし、非課税世帯での線引きは、若干シャビー(貧相)な気がします。再検討が必要でしょう。
「シャビー」を補足するカッコ内の「貧相」という言葉は礒崎さん自身によるものです。
英語の "shabby"
英語の "shabby" の主要な意味は「(建物や衣服などが経年劣化により)ぼろぼろになった、みすぼらしい、汚らしい身なりの」というものです。 カタカナ語の「シャビー」と同じと言えるでしょう。
しかし英語の "shabby" には「みすぼらしい」以外の意味もあります。 主要なオンライン英英辞典に記載されている「みすぼらしい」以外の意味は次のようなものです:
- (卑しいほどに)ケチな、気前が悪い、みみっちい
- みっともない、恥ずべき
- 不公平な、不当な
- 質の低い、低品質な
解説
「不公平な、不当な」の意味は複数の辞書に記載されていますが、ロングマンでは "shabby" のこの意味を、「古い(現在ではあまり用いられない)意味」であるとしています。
「質の低い、低品質な」の意味を記載しているのはマクミラン(米国の英語)とオックスフォード・ラーナーズ(英国の辞書)。 後者では、インフォーマルな(くだけた)意味でのみ "shabby" がこの意味で使われているとしています。
「みっともない、恥ずべき」の意味はコリンズにのみ記載されています。 記載されている用例が "shabby treatment of guests(客人のシャビーな扱い)" なので、「(けちけちしすぎていて)みっともない」ということなのでしょう。
"shabby" の用例
上述のオンライン英英辞典の用例(「みすぼらしい」以外の意味)の中から目ぼしいものをピックアップします。 "shabby" は、あえてカタカナのままにしてあります。# (= very generous) は辞書にそもそも記載されていたものです。
この "not too shabby" は、何かに満足したときに口にする「Not too bad(悪くないぜ)」みたいな意味。