質問:「ローリング サンダー」とは、どういう意味ですか?
回答:「ゴロゴロと鳴る雷の音」という意味です。
詳しくは以下をご覧ください。
- 英語に戻すと
- 単語の意味
- "rolling" について詳しく
- カタカナ語「ローリング・サンダー」の成立
- "rolling thunder" のポピュラーな使用事例
- カタカナ語「ローリングサンダー」の普及
1. 英語に戻すと
「ローリング サンダー」を英語に戻すと "rolling thunder" です。
2. 単語の意味
- rolling ・・・ ゴロゴロと鳴る
- thunder ・・・ 雷鳴(雷が鳴る音)
"thunder" について詳しくは『①サンダー、②ライトニング、③サンダー・ボルト、④ライトニング・ボルトの意味の違い』をご覧ください。
"rolling" について詳しく
"rolling" は "roll" という動詞の現在分詞(~ing)です。
"roll" には名詞の意味もあるが、"rolling" の元となるのは動詞。
現在分詞について
名詞の前に置かれる現在分詞(~ing)は、形容詞と同じ働きをします。
現在分詞は現在進行形に使われるほか、名詞の前に置かれ形容詞として活躍します。
名詞の前に置かれる現在分詞の訳し方は「~している、~する」です。
動詞 "roll" の意味
"roll" は動詞に限っても「回転させる」など多数の意味があります。
そんな多数の意味の1つが「延々と(深い/低い)音を発する」。
"rolling thunder" の "roll" は、この「延々と(深い/低い)音を発する」の意味です。
「ドラム・ロール(a drum roll)」の "roll" も、この意味です。
"roll" は現在分詞に限らず "thunder" と組み合わせて用いられます。 例えば次の文:
Thunder rolls in the distance.
雷が遠くで鳴っている。
# "Thunder" が主語で "rolls" が動詞。
3. カタカナ語「ローリング・サンダー」の成立
英語の "rolling thunder" がカタカナ語「ローリング・サンダー」として定着するに至った経緯を考察して見せましょう。 以下の通りです。
"rolling thunder" のポピュラーな使用事例
- ベトナム戦争において米軍が 1965~1968年にかけて実施した爆撃作戦 "Rolling Thunder"
- 1975~1976年にかけてボブ・ディラン(米国のシンガーソングライター)が北米で行ったツアー "Rolling Thunder Revue"
- 1977年の米国映画 "Rolling Thunder"。 邦題は『ローリング・サンダー』。
- 日本のフォークグループ「アリス」が 1977年に発表した曲『冬の稲妻』の歌詞中に登場するフレーズ「You're Rollin' Thunder HA 突然すぎた / You're Rollin' Thunder HA 別れの言葉」。 「HA」は「ハッ!」と力強く発声する。
"Rollin'" は "rolling" の "g" が発音されないのを反映する口語的な表記。
カタカナ語「ローリングサンダー」の普及
マンガ家である車田正美が、上記の "Rolling Thunder" の使用事例のいずれか(*) に着想を得て、1977~1981年にかけて週刊少年ジャンプに連載した名作マンガ『リングにかけろ』の作中に「ローリングサンダー」を登場させたと考えられます。
(*) たぶん、映画『ローリング・サンダー』か『冬の稲妻』。
「ローリングサンダー」は『リングにかけろ』の主要キャラクターの一人である志那虎(しなとら)の必殺技で、3発のパンチをほぼ同時に敵の急所に叩き込みます。
ローリングサンダーをグレードアップしたスペシャル・ローリングサンダー(SRT)は、5発ものパンチを瞬時に打ち込みます。
『リングにかけろ』の「ローリングサンダー」および「スペシャル・ローリングサンダー(SRT)」により、カタカナ語「ローリングサンダー」が日本にすっかり定着しました。 きっと、そうに違いありません。