「フェノミナン」や「フェノミナ」とは、一体どのような意味でしょうか?
1. 元は英語
「フェノミナン」も「フェノミナ」も元は英語です:
- フェノミナン・・・ phenomenon
- フェノミナ・・・ phenomena
そして、「フェノミナ(phenomena)」は「フェノミナン(phenomenon)」の複数形です。
2. 意味
"phenomenon" には意味は2つに大別されます。
2.1. 現象
"phenomenon" の1つ目の意味は「現象」です。
英英辞典で "phenomenon" は、「感覚で捉えられる出来事・状況・事実」や「観測可能な出来事・状況・事実」と定義されます。
phenomena
"phenomena" は "phenomenon" の複数形ですから「複数の現象」です。
2.2. 珍しいもの
"phenomenon" には「驚嘆に値する(興味をひかれる、異常な、あるいは不思議な)出来事や事実」や「傑出した人物、非凡な人、模範となる人」という意味もあります。 超常現象や超能力者、巨大隕石の激突なんかがこの意味に含まれます。
ジョン・トラボルタが主演する 1996年公開の米国映画「フェノミナン」もこちらの意味です。
複数形
こちらの意味の "phenomenon" は、複数形が "phenomena" ではなく "phenomenons" となるのが(特に北米では)一般的です。
「珍しいもの」を意味する "phenomenon" は、ラテン語の文法に由来(*) する(英文法からすると)不規則な変化(-a)ではなく、英文法で名詞を複数形にするときの規則的な変化(-s)が適用されることが多いわけです。 お堅い分野で使われる「現象」の意味と違って、「驚嘆に値する出来事」の意味がひどく世俗的だからでしょう。
(*) 英語 "phenomenon" の直接の語源は、「空や大気の様相(空模様)」を意味するラテン語 "phaenomenon" です。 さらに先の語源は「表れるもの、見られるもの」を意味する古代ギリシャ語「φαινόμενον(phainómenon)」です。
3. フェミニーナとの混同に注意!
「フェノミナ」に極めて似るカタカナ語に「フェミニーナ」がありますが、こちらは女性のデリケートゾーンに使用する軟膏の名前で「現象」とは無関係です。
「フェミニーナ」は「女性の」を意味する形容詞 "feminine(フェミニン)" に由来する言葉だと思われます。 "feminine" だと "famine(飢饉)" に似ているので、語尾を女性らしく "-a" に変えて商品名にしたのでしょう。