「ペイフォワード」の意味を教えて!

質問:「ペイフォワード」の意味を教えて下さい。

回答:「誰かに親切にしてもらったのを、その誰かではない別の人にお返しする」という意味です。 言葉の由来など詳しくは下記をご覧ください。

1. 元の英語

「ペイフォワード」の元の英語は、"pay it forward" あるいは "pay forward"("it" が無い)という慣用句です。
2001年に日本で公開された米国映画『ペイフォワード』の原題は『Pay It Forward』です。

2. 逐語訳

"pay" が「支払う」という意味で、"forward" は「前方へ、先へ」という意味です。

"pay it forward" をそのまま日本語にすると「それを前方へ(先へ)支払う」で、意味が分かりません。

"pay it forward" という表現と意味の関係を理解するには、この表現の由来を知る必要があります。

3. "pay it forward" の由来

"pay it forward" はリリー・ハーディー・ハモンドという女性が造ったフレーズです。 彼女は 1916年に出版した著書『In the Garden of Delight』で、このフレーズを始めて使いました。

この表現が初めて使われた文章は次のもの:
I never repaid Great-aunt Letitia's love to her, any more than she repaid her mother's. You don't pay love back; you pay it forward.
大叔母レティティアから受けた愛を私は返していない。 でもそれは、レティティアがレティティアの母に愛を返していないのと同じ。 愛は返すものじゃなく、次の人へ与えるものなの。
親世代に愛を与えられた分だけ親世代を愛し返す(repay)代わりに、親世代から愛を与えられた分だけ次の世代を愛する(pay forward)ということでしょう。 これが "pay it forward" の意味の由来です。

注釈

"pay it forward" の "it" は「愛(love)」を指していたわけです。 現在では "pay it forward" は慣用句なので、"it" が何を指すかは意識されません。

"repay" の意味は次の通り:
  1. 借金を返済する
  2. お返しする、恩を返す

"repay" は "pay back" と大体おなじ意味。 "back" は "forward" の対義語(反対の意味の言葉)。

4. 考察

4.1. "forward" について

"pay it forward" に "forward" が使われているのは、このフレーズがそもそも「親の世代 → 自分の世代 → 子供の世代」という具合に先の(forward)世代に順々に愛を送っていくイメージだったからでしょう。
世代に愛を返すのが「愛の "pay back"」で、その逆に世代に愛を送るのは「愛の "pay forward"」というわけです。

現在では "pay it forward" は「親世代 → 子世代」に限らず「誰かに親切にしてもらったのを、その誰かではない別の人にお返しする」こと全般を意味します。

「縦の "pay"」と「横の "pay"」

現在の "pay it forward" で "forward" の意味が不明瞭なのは、"pay it forward" の意味の範囲に世代間の縦の "pay" だけでなく社会を横断する横の "pay" も含むからだと思います。

縦の "pay" では世代と世代の対比が鮮明(親の対義語は子)で、親世代が "back" なら子世代は "forward" と言えます。 でも、横の "pay" ではそのような方向性がないので、"forward" と言われても「え? どっち方向が "forward" なの?」となります。

4.2. "pay it forward" と「因果応報」

"pay it forward" は「因果応報」と似ています。

「因果応報」とは「善行をすれば良い報いがあり、悪行を働けば悪い報いがある」というもの。

自分の行為の影響が直接的に自分に返って来るのではなく巡り巡って間接的に返って来る点で "pay it forward" と「因果応報」は同じです。
でも、「因果応報」は名詞で、"pay it forward" は動詞です

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