「パラダイス・ロスト」の意味は? どうして「ロスト・パラダイス」じゃないの?

質問.:「パラダイス・ロスト」って、どういう意味ですか?

回答.: 「失楽園」という意味です。

解説

「パラダイス・ロスト」は "paradise lost" という英語をカタカナにした言葉です。

"paradise" が「楽園」という意味で、"lost" が「失われた」という意味です。 「失われた楽園」なので「失楽園」です。

"Paradise Lost" について

日本映画のタイトルなどに使われる「パラダイス・ロスト」というカタカナ語は、英国の詩人ジョン・ミルトンが17世紀に発表した "Paradise Lost" という有名な詩に由来していると思われます。 ジョン・ミルトンの詩 "Paradise Lost" のタイトルの定訳が「失楽園」です。

"Lost Paradise" でない理由

英語では形容詞は名詞の前に置かれるのが一般的で、そのルールに従えば "Paradise Lost" ではなく "Lost Paradise" となりますし、"Lost Paradise" という言い方も可能です(可能どころか "Lost Paradise" のほうが普通です)。

それなのに "Paradise Lost" で形容詞 "Lost" が名詞 "Paradise" の後ろに回っているのは、"Paradise Lost" が17世紀に発表されただからでしょう:

  • 17世紀というミルトンの時代には現代よりも英語の語順が自由だった。
  • 詩の英語では、韻律(いんりつ)を目的として、文法を無視した語順にすることが少なくない。
  • 現代の英語でも、文学作品・歌謡曲・映画のタイトルで形容詞を名詞の後ろに置くことがある。(*)
    (*) タイトルに使用される形容詞が過去分詞(~された)や現在分詞(~している)のときに、この傾向が強い。 "Paradise Lost" の "lost" は "lose(失う)" の過去分詞。
英語を母国語とする人は"Lost Paradise" よりも "Paradise Lost" のほうが情緒的だと感じるそうです(文学作品で形容詞が名詞の後ろに置かれることが多いからでしょうか)。