- 2つの使われ方
- 英語との関係
- 提言
2つの使われ方
「メイクセンス」というカタカナ語の使われ方を調べると、2つの使われ方があることに気づきます。
検索でネットから収集してきた用例を以下に記載するので、クイズだと思って2つの意味の違いを考えてみて下さい。 考えるのが面倒な人は、ワン・クリックで解答へ!
1つ目の使われ方
- みんながメイクセンスするまでに時間がかかってしまって、まあ大変でした
- ニンゲンをメイク・センスする
- その進化の中でBLACK Co., Ltd.が常に念頭に置いてきたのは、昨今のパラダイムシフトに流されるのではなく乗りこなすために、ステレオタイプなマインドセットを捨て去り、進化の更に先にあるエポックメイキングをいち早くメイクセンスする、ということです
- メイクセンスしてない人に自分の論理をいくら説明してもメイクセンスするわけではない。
- ヨコサワがメイクセンスするタイミングで、毎回客席でメイクセンスしてる人がいたって話聞いてジワジワきてる
- ウエブマーケーティングって奥が深くて、話を聞いてて、おーそうかと納得!とメイクセンスすることがいっぱいでした。
2つ目の使われ方
- 実際に筋は通るし、メイクセンスするよ!
- トランプ夫妻もやっとメイクセンスするおしゃべりが出来たろうね。
- アメリカ政府の提案はメイク・センスする
- その文章はメイクセンスするか?
- とてもメイク・センスする
- 経営という観点からはメイクセンスする投資
- この手の(株価の)動きがメイク・センスするのは、そもそも株の流動性が少なく、かつ非公開化を進める経営者自身が株の大半を保有するオーナーであるから。
- アーモンドチョコの意図だけ不明でしたが、スペイン人は確かにチョコ好きなのでメイクセンスするのかな。
意味の違い
上の2つの使われ方の違いがお分かりでしょうか?
1つ目の使われ方では、「メイクセンス」が「理解する」という意味で使われています。
2つ目の使われ方では、「メイクセンス」が「筋が通る」という意味で使われています。
つまり、カタカナ語の「メイクセンス」には意味が2つあるわけです。 「メイクセンス」が既にこの2つの意味で流通してしまっている以上、どちらが間違いだとなどと指摘しても実際的な意味はありません。
しかし英語の "make sense" としては、どちらが正しいのでしょうか? その点を探るため「メイクセンス」の語源を見てみましょう。
英語との関係
「メイクセンス」は "make sense" という英語をカタカナで表記したものです。
そして、この "make sense" には大きく分けて2つの意味があります。 次の通り:
- 意味を成す、筋が通る、妥当である
- 理解する
したがって、カタカナ語「メイクセンス」の2つの意味(「理解する」と「筋が通る」)は、英語のこの2つの意味に対応していると考えられます。
しかし、実のところ「メイクセンス」を「理解する」の意味で使えるかどうか微妙です。
それはなぜか? その点を示すため、以下に "make sense" の用例を挙げましょう。 「理解する」と「筋が通る」とで "make sense" の使われ方に違いがあります。 クイズだと思って違いを探してみましょう。 考えるのが面倒な人は、ワン・クリックで解答へ!
用例
「筋が通る」
「理解する」
「理解する」の問題点
お分かりでしょうか? 「理解する」の "make sense" と「筋が通る」の "make sense" は次の2点で異なっています:
"make sense" のカタカナ化にあたって問題となるのは2.の「"of" の有無」です。 "make sense" を「理解する」の意味で使うには「~を理解する」の「~を」の部分に相当する "of" が必要です。 "make sense" だけだと「筋が通る」の意味にしかならず、「理解する」の意味にはなりません。
提言
「メイクセンス」の意味の混乱を防ぐため、「理解する」の意味で「メイクセンス」というカタカナ語を使う場合には「オブ」を加えて「メイクセンスオブ」とすることを私は提案いたします。 冒頭に挙げた用例を再利用するなら次のような感じです:
- みんながメイクセンスオブするまでに時間がかかってしまって、まあ大変でした
- ニンゲンをメイク・センス・オブする
- その進化の中でBLACK Co., Ltd.が常に念頭に置いてきたのは、昨今のパラダイムシフトに流されるのではなく乗りこなすために、ステレオタイプなマインドセットを捨て去り、進化の更に先にあるエポックメイキングをいち早くメイクセンスオブする、ということです
- メイクセンスオブしてない人に自分の論理をいくら説明してもメイクセンスオブするわけではない。
- ヨコサワがメイクセンスオブするタイミングで、毎回客席でメイクセンスオブしてる人がいたって話聞いてジワジワきてる
- ウエブマーケーティングって奥が深くて、話を聞いてて、おーそうかと納得!とメイクセンスオブすることがいっぱいでした。
メイクセンスオブ。 なかなか素敵な音の響きじゃないですか。 「ニンゲンをメイク・センス・オブする」とか「エポックメイキングをいち早くメイクセンスオブ」とかカッコいいですよね。
「メイクセンスオブ」は文字数が妙に多いので、効率重視の人は「理解する」を使いましょう。