"just another" という表現について解説します。
意味
"just another" は多くの場合、「ありきたりの、平凡な、どこにでもいる(ある)、~の1つに過ぎない」といった意味で使われます。 ただし他の意味(後述)であることもあるので注意が必要です。
用例
解説
"just" の意味
"just" には様々な意味がありますが、"just another" の "just" は「単に~」とか「~に過ぎない」という意味です。 この意味の "just" は副詞です。
"another" の意味
"another" は「別の~」とか「もう1つの~」という意味です。
"another" は単数を意味する冠詞 "an" が「別の」という意味の形容詞 "other" とくっついて出来た言葉です。 したがって "another" は、常に単数形の名詞と共に用いられますし、例えば "the another world" などのように定冠詞の "the" と同時に用いられることはありません("an" と "the" で場所の取り合いになるため)。
"just another"
"just" と "another" それぞれの意味から、この2つの語を組み合わせると「単にもう1つの~」という感じの意味になることがわかります。
そして、「単にもう1つの~」から思考を一歩先に進めると「ユニーク(独特)ではない」という意味に辿り着きます。 別のものが少なくとももう1つはあるわけですから。
そこからさらに、『「ユニークでない」ということは「個性がない、没個性である」ということである』というふうに考えると、"just another" の意味が「平凡な~、ありきたりの~、どこにでもある~」というものであることに納得できます。
類似表現
"just another~" の類似表現としては、"just an ordinary~" や "just a commonplace~" などが考えられます。
"ordinary" は「普通の~、平凡な」という意味で、"commonplace" は「ありふれた~、平凡な~」という意味です。 この2つの語は同じような意味です。
他の意味
"just another" という表現は「ありきたりの、平凡な...」という以外の意味で用いられることもあります。
「あともう1つだけ」
まず思い浮かぶのが、"just another" が次のように「あと1~だけ」という意味で使われているケースです。この3つの例文の "just another~" はいずれも "just one more~" という表現に置き換えることができます。 "just one more~" は、「もう一度だけ~、あと1回だけ~、もう1つだけ~」という意味です。
"Give me another kiss/day/hour." と " Give me just another kiss/day/hour." との違いは、前者が「もう1回/1日/1時間(最後とは限らない)」という意味で、後者が「もう1回/1日/1時間だけ(これで最後)」という意味だという点です。