"If not you then who?" の意味

意味

"If not you then who?" は「あなたでなければ誰が?」という意味です。

"If not you then who?" は文脈により色々な意味に理解できますが、「君がやらねば誰がやる」という意味で使われることが多いでしょう。

解説

"if not you then who" は次の文を省略した表現です(カッコ内が省略されている部分):
If (it is) not you (that...) then who(...)?
もし(...なのが)あなたでなければ、誰が(...)なのか?

以下で、この文を "If it is not you that..." と "then who...?" の2つに分割して説明します。

If it is not you that...

"it is not you that..." は「...はあなたではない」という意味です。

"it is not you that..." には強調構文が使われています。 "not" を省いて分かりやすくすると "it is you that...(...は、あなたである)" となります。 使用例は次の通り:
It is you that love me.
私を愛しているのはあなただ。

"It is you that love me." は "You love me." と基本的な意味は同じです。 私を愛しているのが「ほかならぬあなた」であることを強調するために使われるのが "It is you that love me." です("that" は関係代名詞。 強調構文には関係代名詞が用いられます)。

この "It is you that love me." に "If" と "not" を付け加えると次のようになります:
If it is not you that love me...
もし、私を愛するのがあなたでなければ...
then who...?

"then" は「それならば、それなら」といった意味です。 "who...?" の部分は疑問文です。

"then who...?" は例えば次のように使われます:
then who loves me?
それなら、誰が私を愛してくれるのか?
合体
"If it is not you that love me..." と "...then who loves me?" を合体させると次のようになります:
If it is not you that love me, then who loves me?
もし、私を愛するのがあなたでなければ、(それならば)誰が私を愛してくれるのか?
# 和訳すると「それならば」の部分が冗長な感じになるので、省くと良いでしょう。

捕捉

"If it is not you that..." や "then who...?" の "you" と "who" は、どちらも主語である場合と目的語である場合が考えられます。 上の説明では "you" も "who" も主語でした。

"you" と "who" が目的語のケースは例えば次の通り:
If it is not you that I love, then who do I love?
もし、私が愛するのがあなたでなければ、私は誰を愛するのか?(もし私があなたを愛していないとすれば、私は誰を愛していると言えようか?)

この文も "If not you, then who?" に省略できます。 省略個所は次のカッコの部分:

If (it is) not you (that I love), then who (do I love)?

つまり、"If not you, then who?" は文脈によって、どういった言葉が省略されているかは無論のこと、"you" や who" の文法上の機能まで異なるのです。 これらの点は、"If not you, then who?" の直訳である「あなたでなければ誰が?」も同じです。 したがって、"If not you, then who?" は「あなたでなければ誰が?」と訳しておけば(日本語としては不自然ですが)間違いにはなりません。

意訳として冒頭に挙げた「君がやらねば誰がやる」は特定の文脈にのみ当てはまる訳なので、"If not you, then who?" を常にこう訳していると間違いとなるケースも出て来るでしょう。
"who loves me?" で使われていなかった "do" が "who do I love?" に使われているのは、疑問詞 "who" が担当するのが主語ではなく目的語だからです。(*)
(*) 例えば "I love you" で "I" の部分が "Who" になるなら "Who loves me?" ですが、"you" の部分が "who" になるなら "Who do you love me?" と "do" が使われます。
"if not you then who" では、"you" が主語なら "who" も必ず主語ですし、"you" が目的語なら "who" も必ず目的語です。(*)
(*) このようになるのは、"if not you then who" において強意のターゲットが常に疑問詞 "who" と同種のものであり、文中の役割も必然的に同じとなるからです。

用例

(前略)I voiced my opinion in a staff meeting, and was subsequently asked if I would participate by taking an open position on the Board of the Society of General Practitioners (SGP). I was hesitant at first as I had a young family and a busy life, but my colleague asked me, “If not you, then who? Everyone else has a busy life, too!”(中略) I accepted the position, and my life changed for the better.
(前略)私が職員会議で意見を述べると、Board of the Society of General Practitioners にポジションが空いているのだから、そのポジションについてはどうかと問われた。 当初は私は躊躇した。 私には育児があるし色々と忙しかったからだ。 しかしそこで、一人の同僚が私に問うた。「君がやらなくて、誰がやるんだ? 忙しいのはみんな同じさ!」 (中略) 私はそのポジションを引き受け、私の生活は良い方向へ変わった。
In January 2017, I was then elected to be the president elect, a role I was hesitant to take but the then president asked me, 'If not you, then who?'.
2017年1月のことだった。 私は(キスム・ロータリー・クラブの)会長に選ばれたが、引き受けるかどうか迷っていた。 しかし、そのとき当時の会長が私にこう問いかけたのだ。 「君がやらねば誰がやる?
At that time, I didn’t want the job as a Romani School Inspector. They contacted me about 5 or 6 times. After I saw that they insist, I convoked a family meeting regarding the acceptance of the job. After a few discussions my son succeeded to convince me that I am the right person, in the right place, and I should take this job. He told me: "If not you, then who?", and then I accepted.
当時、私は Romani School Inspector の職に就きたくなかった。 しかし5~6回も打診があり、(Romani School が)本気であるのを知った私は、この件に関して家族会議を開いた。 幾度かの討議ののち息子は次のように言って私を説き伏せた。 私こそが適任者で適切な立場にあるのだから、私がその職を引き受けるべきだと言ったのだ。 息子は私に言ったものだ。「父さんがやらないで、誰がやるというの?」 私は Romani School Inspector の職を引き受けた。
If not you, then who do I turn to?
あなたでなければ、私は誰を頼ればいいの?(あなた以上に頼れる人なんていない)

# "you" と "who" が目的語であるケースです。 ここまでの3つの用例はどれも、"you" と "who" が主語でした。

この用例は、"If not you, then who" で完結していないケースでもあります。 "If not you, then who?" の "then who?" のところで省略されている部分が省略されず言葉にされています。

"turn to" は「頼る」という意味。
If not you, then who will open their wallet for charity?
あなたでなければ(あなたが出さないなら)、誰がチャリティーにおカネを出すというの?

# これも "If not you, then who" で完結していないケースです。 "you" と "who" は主語です。

「まず、あなたがチャリティーにおカネを出しましょう」という意味です。

言葉通りに捉えれば「チャリティーにおカネを出すうえで、あなたほどの適任者はいないわ」とか「あなたはチャリティーにおカネを出すのにピッタリの人材なの」といった意味ですが、このセリフを言う人は全員にこのセリフを言って回っていることでしょう。

"open their wallet for charity" は直訳すると「チャリティーのために財布を開く」という意味です。