"I don't mean to" という表現について説明します。
意味
"I don't mean to" は「そんなつもりじゃない」や「不本意ながら」という意味です。
解説
"mean"
"I don't mean to" の "mean" は「意図する」という意味です。
"mean" の意味として有名なのは「意味する」という意味ですが、"mean" には「意図する」という意味もあり、"I don't mean to." ではこの意味で使われています。
"to"
"I don't mean to" の "to" は不定詞です。 不定詞の名詞的用法(「~すること」逐語訳される)になります。
不定詞は "to + 動詞の原型" という構造なので、本来であれば "to" の後ろに動詞の原型が来ます。
しかし、"to" で文(あるいは節)が終わるタイプの "I don't mean to"(この記事で扱うのはこのタイプの "I don't mean to" です)では "to" の後ろの動詞が省略されています。
全体
"I mean to~" で「私は~することを意図する」という意味なので、そこに "don't" が付加されて意味が裏返った "I don't mean to~" は「私は~することを意図しない」という意味になります。"I don't mean to" は、"I don't mean to~" の「~」に当たる部分が省略された表現です。
どうして "I don't mean to" では「~」に当たる部分が省略されているのか? それは、"I don't mean to" の前後の文から「~」に当たる部分の見当がつくからです。
省略前はどんな感じ?
"I don't mean to" は本来は(「~」部分が省略される前は)、例えば次のように使われます:# "offend" は「~に不快な思いをさせる、不快な感情(怒りなど)を引き起こす」という意味です。
"I don't mean to offend you." を逐語訳すると、「私はあなたの気分を害することを意図しません」となります。 これを自然な日本語にしたのが「あなたの気分を害するつもりではありません」です。# "brag" は「自慢する」という意味です。
上記の "I don't mean to offend you." のような文の "to" 以下が省略されたのが "I don't mean to" です。
使われ方
"I don't mean to" の実際の使用例を見てみましょう。ここまでの用例はいずれも "I don't mean to," と最後がカンマ(,)で終わっていますが、"I don't mean to." とピリオド(.)で終わるケースもあります。
"I don't mean to" の使い方のイメージを掴むための用例を以下に記載します。
用例
# 「そういうつもりじゃなくても」に相当するのが "even if I don't mean to" です。「そういうつもり」とは「ビジネス的な関係として扱うつもり」ということです。
"I don't mean to" の後ろに省略されているのは、"treat a lot of my relationships like business relationships"(←をこのまま "to" の後ろに挿入するとおかしな部分が生じますが)。
ここまでの用例と違ってこの用例では、"I don't mean to" よりも前に出現した語句が "I don't mean to" の後ろに省略されています。# この例文は https://www.betalogue.com というブログで見つけてきたものです。 この文を書いた人のPCには、マウスのカーソルをPC画面の特定の位置(ホット・コーナー)に移動させるとディスプレイがスリープ・モードに移行するという機能が備わっています。
"I don't mean to" の後ろに省略されているのは "put my displays to sleep(私のディスプレイをスリープの状態にする)" です。
この用例でも、"I don't mean to" よりも前に出現した語句(put my displays to sleep)が "I don't mean to" の後ろに省略されています。“I have a book of biographies at home, and I find that not only rich men, but men distinguished in other ways, generally commenced in poverty.”
“I wish you'd lend me that book,” said Ben. “Sometimes I get despondent and that will give me courage.”
“You shall have it whenever you call at the house. But you mustn't think too much of getting money.”
“I don't mean to; but I should like to make my mother comfortable. I don't see much chance of it while I remain a grocer's boy...”「偉人の自叙伝を集めた本が家にあるんだけど、富豪以外の偉人も大体は貧乏な境遇から出発したんだよ」
「その本を貸して欲しいなあ」とベンは言った。「僕はときどき落ち込んだりするんだけど、そんな本があれば元気づけられると思うんだ」
「家まで来ればいつでも貸してあげるよ。 でも、おカネ儲けのことばかり考えてちゃダメだよ」
「そういうわけじゃないよ。 でもさ、母さんに楽をさせてやりたいんだ。 食品雑貨店の下男なんかやってるんじゃ、いつのことになるやら...」