"Gone but not forgotten." の意味を説明します。
意味
"Gone but not forgotten." は「去りはしたが忘れられていない」という意味です。
解説
"Gone but not forgotten." は、「ボニー&クライド」として知られた米国の犯罪者カップルのクライド(Clyde Champion Barrow)のほうの墓碑銘(墓石に刻まれる短い言葉)として知られるフレーズです。
ボニー&クライドは大恐慌のころに銀行強盗を繰り返し、両名とも1934年5月23日にで警官隊に襲撃されて撃ち殺されました。 2人とも20代前半の若さでした。 ボニー(女)とクライド(男)は別々の墓に埋葬されました。
ボニーとクライドは同じ墓に埋葬されることを望んでいましたが、ボニーの家族がそれに反対したため実現しませんでした。
ボニー(1910~1934年)はテキサス州ダラスにある Fishtrap Cemetery という墓地に埋葬されました(1945年に Crown Hill Cemetery という墓地に移された)。 クライドはテキサス州ダラスにある Western Heights Cemetery という墓地に埋葬されました。クライド(1909~1934年)は兄のマービン(1905~1934年)と同じ墓(同一の墓碑の下に)に埋葬されていて、その墓碑銘が "Gone but not forgotten." です。
ちなみにボニー(Bonnie Elizabeth Parker)のほうの墓碑銘は次のようなものです:墓碑銘は他人が決めたり本人が生前に決めておいたりしますが、ボニーもクライドも誰が墓碑銘を選定したのか分かっていません(クライドのほうは、本人が生前に選定していたという説もある)。
英語の解説
"Gone but not forgotten." の文頭に "He is" が省略されていると考えられます(兄のマービンも墓碑銘に含むと考えるなら "He is " でなく "They are")。
"He is" を補うと "He is gone but not forgotten." となります。
"He is gone but not forgotten." は "He is gone but (he is) not forgotten." ということです。 2つめの "he is" が重複するので省略されているわけです。
"He is gone." も "He is not forgotten." も、「Be動詞+過去完了形」を現在完了形(have +過去完了形)の意味で使っています。 「Be動詞+過去完了形」といえば受動態(~される)ですが、受動態のほかに現在完了形の代用としても用いられます。
"He is gone." も "He is not forgotten." も完了形なので、「~してしまった(そして今もその状態で、その影響が物理的あるいは精神的に残っている)」という意味になります。
したがって "He is gone." は、「彼は去ってしまった」となります。 "gone" は "go(行く)" の過去分詞形です。 「去る」とは「この世から去る」ということです。
同様に "He is not forgotten." は「彼は忘れられていない」という意味になります。 こちらは「Be動詞+過去完了形」を受動態の意味に捉えても意味が成立します。