"Gone but not forgotten." の意味を説明します。
1. 意味
"Gone but not forgotten." の意味は「去りはしたが忘れられていない」です。
2. このフレーズの周辺
2.1. クライドの墓碑銘
"Gone but not forgotten." は、米国の犯罪者カップル「ボニー&クライド」のうちクライド(Clyde Champion Barrow)のほうの墓碑銘(墓石に刻まれる短い言葉)として知られるフレーズです。
ボニー&クライドは大恐慌のころに銀行強盗を繰り返し、両名とも1934年5月23日にで警官隊に襲撃されて撃ち殺されました。 2人とも20代前半の若さでした。 ボニー(女)とクライド(男)は別々の墓に埋葬されました。
ボニー(女のほう)とクライド(男のほう)は同じ墓に埋葬されることを望んでいましたが、ボニーの家族がそれに反対したため実現しませんでした。
2.2. お墓の場所
クライド(1909~1934年、男のほう)は兄のマービン(1905~1934年)と同じ墓(同一の墓碑の下に)に埋葬されていて、その墓碑銘が "Gone but not forgotten." です。
2.3. ちなみにボニーの墓碑銘は?
墓碑銘は他人が決めたり本人が生前に決めておいたりしますが、ボニー(女)もクライド(男)も誰が墓碑銘を選定したのか分かっていません(クライドのほうは、本人が生前に選定していたという説もある)。
英語の解説
3.1. 省略
"Gone but not forgotten." の文頭に "He is" が省略されていると考えられます(兄のマービンと墓碑銘を共有するなら "He is " でなく "They are" が省略)。
"He is" を補うと "He is gone but not forgotten." です。
3.2. 第二の省略
"He is gone but not forgotten." は "He is gone but he is not forgotten." の省略です。 2つめの "he is" が重複するので省略されました。
3.3. "He is gone." の意味
"He is gone." の和訳は「彼は去ってしまった」です。 "gone" は "go(行く)" の過去分詞形です。 「去る」とは「この世から去る」ということです。
"He is gone." では「Be動詞+過去完了形」が現在完了形(have +過去完了形)として用いられています。 「Be動詞+過去完了形」といえば受動態(~される)ですが、受動態のほかに現在完了形の代用としても用いられます。
3.4. "He is not forgotten." の意味
"He is not forgotten." の和訳は「彼は忘れられていない」です。 こちらは「Be動詞+過去完了形」が受動態です。