1. 3つの意味
"fly on" には様々な意味がありますが、頻出するのは次の3つでしょう:
- 飛び続ける
- ~に乗って飛ぶ
- ~にとまったハエ
3つの意味の解説
飛び続ける
"fly on" が「飛び続ける」の意味のとき、"fly" は動詞で「飛ぶ」という意味です。 そして "on" は副詞で「持続、継続」の意味です。
「飛ぶことを持続する」ということで「飛び続ける」という意味になります。
この意味の "fly on" は目的語を伴いません。 "on" が前置詞(目的語が必要)ではなく副詞だからです。# "flew" は "fly" の過去形。
"Sidney, Australia" は "on" ではなく "to" の目的語です。 この例文の "on" は副詞なので目的語を取りません。 "fly on to~" で「~まで飛び続ける」。~に乗って飛ぶ
"fly on" が「~に乗って飛ぶ」の意味のとき、"fly" は「飛ぶ」を意味する動詞で、前置詞 "on" は「移動手段」を意味します。
この意味の "fly on" で前置詞 "on" の目的語になるのは空を飛ぶもの(例. 飛行機/ウルトラマン/ドラゴン)です。~に止まったハエ
"fly on" が「~に止まったハエ」を意味するとき、"fly" は名詞で「ハエ(蠅)」を意味します。 前置詞 "on" は「接触」の意味です。 「接触」とは「地面や壁や天井あるいは何かの物体に接して(止まって)いる」ということです。
この意味の "fly on" で前置詞 "on" の目的語になるのは、壁(wall)や天井(ceiling)その他の物です。"a fly on the wall" は慣用句で、意味は「盗み聞きをする人」です。
"I'd love to be a fly on the wall when those two get home!" の直訳は「あの2人が家に戻ったとき壁にとまったハエになりたいものだ!」ですが、意訳は「あの2人が家に戻ったら盗み聞きをしたいものだ」です。2. 他の意味も
"fly on" は上記の3つ以外の意味であることもあります。 "fly" も "on" もよく使われる言葉なので、何かの拍子に "on" が "fly" の後ろに来ることは珍しくありません。 上記の3つの "fly on" はあくまでも、様々な "fly on" のなかで発生頻度が高いに過ぎません。
以下は、上記の3つ以外の "fly on" の例です。
fly on vacation
fly on purpose
"fly on purpose" だけでも、"fly" の意味が「ハエ」であったり「飛ぶ」であったりと様々です。# "fart" で「オナラ」。 "farts" はその複数形。 "ones" は "farts" を指す。 "unintentional" は "intentional(意図的な)" の反対の意味。 "as opposed to" は「~に対して、~とは対照的に」といった意味。
この例文の "fly" は「(オナラを)放つ」という意味です。 "fly" には「(飛行機を)飛ばす」とか「(旗を)揚げる」など他動詞の意味もあり、「放つ」もそれと同じく他動詞の意味です。# "fish for" で「~を狙って釣りをする」の意味。 ここの "fly" は釣りに用いられる疑似餌の一種としての「フライ」。
この "on purpose" も「意図的に(わざと)」の意味。
この例文で言わんとするのは、「本来はフライ・フィッシングの対象ではないバスの類をフライ・フィッシングで釣る人もいる」ということでしょう。3. まとめ
"fly" には「飛ぶ、飛ばす、ハエ、疑似餌、野球のフライ」など様々な意味があり、"on" にも前置詞や副詞など色々な意味があります。 さらに、"on vacation" のように "on" が使われる慣用句も数多くあります。
したがって、"fly on" の意味を見分けるには、"fly" と "on" それぞれの色々な意味を十分に承知しておく必要があります。 "fly on" という熟語では辞書に載っていないので、正体不明の "fly on" を見かけたら、"fly" と "on" それぞれの意味を辞書で調べると良いでしょう。