"fist" の基本的な意味は「拳（こぶし）、握った手」です。 この意味の "fist" は名詞です。

"fist" は「殴る」という表現と共によく用いられますが、それだけではありません。 手の甲で目をこするときに握る手の形状や、何かを掴んでいるときの手の形状も "fist" です。

"fist" には次のような動詞としての意味もあります：

1. 手を握りしめて拳にする
2. 拳で殴る
3. 拳に掴（つか）む

"fist" には他にも次の意味（いずれも名詞）があります：

1. 人差し指で指す記号（☞）
2. 挑戦、試み
3. 一掴み（ひとつかみ）

"fist" が「フィスト」というカタカナ語として使われるとき、それは「拳、握った手」という名詞の意味でしょう。

2019年に公開されたアニメ映画『名探偵コナン　紺青の拳（フィスト）』には「紺青の拳」と呼ばれるブルーサファイアが登場します。 拳サイズの巨大なサファイアなのでしょう。

"fist" の語源を突き詰めると「５」を意味する "pénkʷe" という印欧祖語に至ります。 「５」というのは「５本の指」ということでしょう。

この "pénkʷe" からドイツ語を経由して、遅くとも１０世紀には英語の "fist" が成立しました。