映画『クライ・マッチョ』のタイトルの意味は?

質問: クリント・イーストウッドの映画に『クライ・マッチョ』がありますが、このタイトルはどういう意味ですか?

回答: 「鳴くんだ、マッチョ」という意味だと思われます。

詳しくは以下をご覧ください。

1. 元の英語のタイトル

『クライ・マッチョ』の原題は『Cry Macho』です。

2. タイトルの意味

"Macho" はニワトリの名前

映画『Cry Macho』には "Macho" という名の雄鶏(主要キャラクターの1人である少年「ラフォ」が飼う闘鶏用のニワトリ)が登場します。 『Cry Macho』の "Macho" は、この雄鶏を指すはずです。

タイトルは命令文

したがって、"Cry Macho" は命令文で、雄鶏である "Macho" に対して「鳴け(泣け)」と命じていると考えられます。 "Cry" が動詞で、"Macho" は呼びかけの相手です。
カンマを補うと、"Cry, Macho."。

そういうわけで

そういうわけで、"Cry Macho" は「鳴くんだ、マッチョ」という意味です。

3. 映画の原作

映画『Cry Macho』の原作は同名の小説『Cry Macho』です。

小説『Cry Macho』はもともとは映画の脚本として書かれた作品で、そのときのタイトルは単に『Macho』でした。 雄鶏の名前だけのタイトルだったわけです。

脚本用として書かれた『Macho』はどの映画会社にも買ってもらえず、作者であるリチャード・ニッシュは脚本『Macho』を小説『Cry Macho』として書き直しました。

小説『Cry Macho』は好評で、複数の映画会社に「映画の原作として用いたい」と声を掛けられました。 そのうちの一社にリチャードは原作の権利を売却し、小説を脚本化するよう求められたので、当初に脚本用として書いた作品『Macho』を一字一句変えずに渡したそうです。

4. タイトルに二重の意味?

クリント・イーストウッドの言葉

『Cry Macho』のトレイラー(映画紹介の映像)で、クリント・イーストウッドは次のように述べています:
"This macho thing is overrated. Just people trying to be macho to show that they’ve got grit. That's about all they end up with."
「このマッチョというやつは過大評価されている。 人々はガッツがあると示すためにマッチョであろうとし、それに終始している」

"macho" とは?

英語の "macho" には形容詞と名詞の意味があります(上記のイーストウッドの発言では形容詞):

  • 《形容詞》・・・ 男らしい(勇敢である、タフである、感情を表に出さないなど)
  • 《名詞》・・・ 男らしい人、マッチョな人
また、「マッチョであろうとすること」は「マチスモ(machismo)」と呼ばれます。
"macho" も "machismo" もスペイン語に由来する言葉。 スペイン語の "macho" は、「雄(の)、男らしい」などの意味。

言葉の意味

正直なところ、私にはクリント・イーストウッドのこの発言の意味がピンと来ません。 ですが、マチスモに否定的なのは分かります。

そして、そのマチスモでは感情を表に出さないのを良しとします。 泣くなどもってのほかです。

『Cry Macho』というタイトルは、表面的には少年が飼うニワトリ "Macho" に対して「鳴け」と言っていますが、その裏でマチスモに対して「泣け(感情を表に出せ)」と言っているのではないでしょうか?
"cry" には「泣く」の意味も「鳴く」の意味もあります。

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