質問:「コミットする」や「コミットメント」とは、どういう意味ですか?
回答:「コミット」は意味を4つに分けると理解しやすいでしょう。 次の4つです。
「コミット」の意味
- 《決意》人や組織や活動に本格的に(1) リソース(2) をつぎ込むと決意する
- 《言葉》何かを必ず行うと固く約束する、確約する、誓約する
- 《行動》人や組織や活動に関わり合う(関わり合いから引き返せなくなる決定的な行動を取る)
- 《行動》人や組織や活動に本格的に(1) リソース(2) をつぎ込む
(1) 腰を据えて、恒久的に、相当な規模で。
(2) 金銭・労力・愛など。「コミット」は心の中の気持ちから言動まで幅広く意味する言葉です。
「コミットメント」の意味
「コミットメント」の意味は「コミットすること」。 具体的には次の通り:
- 《決意》人や組織や活動に本格的にリソースをつぎ込もうとする気持ちや決意
- 《言葉》固く約束したこと、確約、誓約
- 《行動》人や組織や活動に関与すること
- 《行動》人や組織や活動に本格的にリソースをつぎ込むこと
以下で「コミット(メント)」について説明を補足します。
1. 英語に戻すと
英語に戻すと次の通り:
- コミット ・・・commit(動詞)
- コミットメント ・・・commitment(名詞)
"commit" の語尾に接尾辞 "-ment" が付いて名詞になったのが "commitment"。
2. 言葉の全体像
2.1. カタカナ語と英語
カタカナ語「コミット(メント)」が英語の "commit(ment)" から受け継ぐ意味は一部だけ。 "commit(ment)" には「コミット(メント)」に無い意味がたくさんあります。
現代の英語において、"commit(ment)" は「(罪・過ち・自殺などを)犯す(こと)」という意味でよく使われます。
"commit(ment)" は「(精神病院や刑務所などに)~を送る(こと)、放り込む(こと)」という意味でもよく使われます。
2.2.「コミットする」の意味の成り立ち
まず
まず、"commit" の当初の意味は「~を託す、明け渡す、割り当てる」でした。(*)
(*) こうした意味は現在にも残っている。
次に
次に、カタカナ語「コミット」と同じ「関与する、確約する」などの意味での "commit" は、かつては "commit oneself" という用法のみが正しいと(2) されました。(1) "oneself" の意味は「自分自身(を/に/と)」。 "oneself" は主語に応じて "myself" や "yourself" や "themselves" などに変化する。
(2) 現代では "commit" と "commit oneself" どちらの用法も正しいと認められる。なので
なので、「関与する、確約する」などの意味での "commit" の由来は「自分自身を割り当てる/明け渡す」でしょう。
「人や組織や活動に自分自身を割り当てる/明け渡す」が転じて「人や組織や活動に関与する」や「人や組織や活動を本腰を入れて支える」などの意味になったと推察されます。