質問：「チャート」とは、どういう意味ですか？
回答： もともとは「（海図や気象図など）特殊な地図」という意味ですが、現代では他の意味でも用いられます。
詳しくは以下を御覧ください。
1. 英語に戻すと
「チャート」を英語に戻すと "chart" です。
2. "chart" の意味
"chart" には名詞と動詞の意味があります。
2.1. 名詞の意味
- （海図や気象図など）特殊な地図
- 図・表・グラフ
- 図・表・グラフを用いて理解しやすく提示される情報。 また、そうした情報が記載される紙面や電磁的記録
- （常に複数形 "charts" で）音楽などの人気ランキング、ヒット・チャート
- 特定の患者の診療情報の記録、カルテ
2.2. 動詞の意味
- （陸地・海・宇宙などのエリアを調査して）地図を作る
- 《現在のこと》変化や進展(1) を逐次（毎日や毎週など）記録する
- 《過去のこと》過去の経緯を時系列に沿って（発生した順序で）まとめる(2)
- 《未来のこと》（地図を用いて）現在地から目的地までのルートを決める、（比喩的な意味で）今後の行動を考える、計画する、将来の算段を立てる(3)
- （音楽のシングルやアルバムが）ヒットチャートにランクインする
(1) 例えば、温度・株価・成績の変化や工事や開発の進展。
(2) 用例. The exhibition charts the history of the palace. その展示では、その宮殿の歴史を（年代順に）まとめている。
(3) 用例. She had carefully charted her route to the top of her profession. 彼女は自分の職業で頂点に立つまでのルートを入念に考えていた。3. カタカナ語「チャート」
カタカナ語の「チャート」は名詞の "chart" とだいたい同じ意味で用いられます。 例えば：
- 株式のチャート ・・・ 株価の値動きをグラフにしたもの
- チャート式の参考書 ・・・（文章メインではなく）図表を用いて分かりやすく説明する参考書
4. "chart" の語源
"chart" の語源は、「カード・地図」を意味する中世フランス語 "charte" です。 この "charte" から１６世紀後半に英語の "chart" が生まれたとされます。
中世フランス語 "charte" より先の語源は、「紙・カード・地図」を意味するラテン語 "charta"。 このラテン語 "charta" は当初は「パピルス・書き物」を意味しました。
ラテン語 "charta" の語源は「パピルス・紙」を意味する古代ギリシャ語「χάρτης（khártēs）」です。そういうわけで、"chart" の根源的な意味は「地図」です。
地図と言えば "map" ですが、"chart" は "map" の中でも海図(1)・気象図(2) ・磁気図(3) など特殊なものを指します。(1) naval chart, sea chart etc.
(2) climatic chart, weather chart
(3) magnetic chart