「ブートキャンプ」の意味は? 言葉の由来は?

質問:「ブートキャンプ」とは、どういう意味ですか? 言葉の由来も教えてください!

回答:「新兵訓練」などの意味です。

詳しくは以下をご覧ください。

1. 英語に戻すと

「ブートキャンプ」を英語に戻すと "boot camp" です。

2. 詳しい意味

"boot camp" の意味は次の3つ:

  1. 新兵訓練。 新兵に基礎的な体力を付けさせ、メンタルを兵士向きに改造する。 "boot camp" は米国の海軍・海兵隊・沿岸警備隊の新兵訓練の呼称である "Recruit Training" の俗称だが、これに限らず新兵訓練の俗称として米国・カナダで広く用いられる。
  2. 新兵訓練をモデルとし、罪を犯した若者に適用される刑罰の一種。 また、そうした刑罰が行われる施設の呼称。 "boot camp" は刑罰として保護観察よりきつく、禁錮刑より軽い(拘束期間が短い)。 期間は90~180日間。 米国・カナダ・ニュージーランドで運用される。 オーストラリアでは廃止された。
  3. 短期集中型のトレーニング。 体を鍛えるトレーニング(*) のほか、プログラミングなどのスキルを身に付ける短期集中コースも "boot camp" と呼ばれる。 試験前の詰め込み勉強を、"boot camp" と呼ぶことも。
(*) 2007年に日本で流行した「ビリーズブートキャンプ(Billy's Bootcamp)」は、この一種。 ビリー・ブランクス(Billy Blanks)という名の人物が考案したので、「ビリーズ(Billy's)」。 ビリーズブートキャンプが流行ったのは日本だけ。

3. 言葉の由来

"boot camp" という言葉において、"boot" と "camp" は次の意味です:

  • boot ・・・「ブーツ(靴)」を意味する英語だが、米国の俗語で「新兵」の意味も持つ。
  • camp ・・・ 兵士が戦ったり訓練したりするときに暮らす場所

したがって、"boot camp" は元々は「新兵の訓練所」を意味したと考えられます。

"boot" が「新兵」を意味する理由

"boot" が「新兵」を意味するようになった経緯は不詳ですが、「World Wide Words」に興味深い説が述べられています。

1890年以前、米国海軍の兵士は真冬の寒い時期にも甲板を掃除するのに裸足なのを誇りにしていた。 ところが、それより後に入隊してきた米国中西部出身の新兵は常識的なことに、寒い時期に甲板掃除をするときにはゴム製のブーツを履いた。

古参の兵は新兵のそんな様を見て「ゴムブーツの水兵だ」とからかった。 1911年には、新兵のニックネームとして「ゴムブーツ(rubber boots)」が定着していた。

第一次世界大戦(1914~1918年)が始まる頃には、"rubber boots" はさらに簡略化され、新兵は単に "boots" と呼ばれるようになっていた。

上記は「Reno Evening Gazette」という新聞の 1962年のコラムに基づきます。 そのコラムの元となる情報は、米国海軍に所属していた C E Reynolds という人物が同紙に送った手紙です。 "boot" が「新兵」を意味する由来として説得力があります。

"boots" から "boot" まであと一息ですから、これにて "boot camp" という言葉の由来は解明されたと言えるのではないでしょうか。

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