「ビバレッジ」の意味は? 水は「ビバレッジ」に含まれる?

質問.:「ビバレッジ」って、どういう意味ですか?

回答.:「飲料、飲み物」という意味です。

1. 詳しい意味

「ビバレッジ」は "beverage" という英語をカタカナにした言葉で、この "beverage" の意味が「飲料、飲み物」です。

    「ビバレッジ」が意味する範囲

  • ジュース、炭酸飲料、コーヒー、紅茶、緑茶、烏龍茶、プーアル茶、白茶、ビールなど、いずれも "beverage" の意味の範囲に含まれる。
  • 牛乳(ミルク)も "beverage" の一種。
  • "beverage" が意味する「飲料」にはアルコール飲料(酒)と非アルコール飲料の両方が含まれる。
    「アルコール飲料」は "alcoholic beverages"、「非アルコール飲料」は "non-alcoholic beverages" と呼ばれる。
  • ビールやワイン、日本州などの醸造酒(アルコール度の低い酒)だけでなく、ウイスキーやラム酒や焼酎などの蒸留酒(アルコール度の高い酒)も "beverage" に含まれる。

2. 単なる「水」は "beverage" に該当するか?

単なるを "beverage" に含むかどうかは辞書によって異なります。
含まない派

『Oxford Learner's』という英英辞典では「水は除く」と明言しています。

小学館の『デジタル大辞泉』(国語辞典)では、「ビバレッジ」の項で「水以外の飲み物」と説明しています。

含む派
英英辞典『Cambridge』では「あらゆる種類の飲み物(*)」と定義しています。 『Merriam-Webster』も同様。
(*) 「飲み物」は "drink" を訳したもの。 『Cambridge』では "drink" を「口から体内に取り込む液体」と定義しており、例文に "Would you like a drink of water/tea/juice?" とあるので、『Cambridge』が "drink" に「水」も含むと見なしているのは明らか。
『American Heritage® Dictionary』では、次のように "beverage" に「水」を含む例文まで記載しています。
The menu lists several beverages, including water, soda, tea, and coffee.
メニューには何種類かの飲み物が記載されている。 、ソーダ、お茶、コーヒーなど。
中庸派

『Collins』は「飲み物。水以外を指すのが一般的」としています。

よく分からない派

『Longman』は「温かいまたは冷たい飲み物」と定義しています。 ことさらに「水」を排除していませんが、「温かい」だとか「冷たい」だとか温度を気にするほどなので、用意に手間がかかる飲み物を想定している気がします。

2.1. 英米の違いは無さそう

上記の5つの英英辞典で英国の定義か米国の定義かを確認したところ、「"beverage" に水を含むか否か」に関して英国の英語と米国の英語の間に明確な違いは見られませんでした。 強いて言えば、米国の英語のほうが "beverage" から水を除外しないことが多い傾向にあるかもしれません。

2.2. 「ビバレッジ」の条件?

「ビバレッジ」たりえるか否かの境目は「コストの有無」かもしれません。

『Longman』と『Cambridge』に、"a drink that is produced to sell to people(人々に売るために作られる飲み物)" という定義(どちらの辞書も全く同じ定義)があります。

この定義によるなら、自販機で売られている水や飲食店で代金を支払って買い求めるミネラル・ウォーターは "beverage" です(*)が、水道水をコップに汲んだ水や公園の水飲み場で飲む無料の水は "beverage" ではありません。
(*) ミネラル・ウォーターを消費者まで送り届けるだけじゃ "produce" とは言えないという意見もあるでしょうけれど。

ただし、どちらの辞書でもビジネス向けの意味としてこの定義を載せているので、日常的な意味とズレがありそうです。 自宅で淹れるコーヒーや紅茶はまごうことなく "beverage" ですが、"a drink that is produced to sell to people" という定義に合致しません。

でも、「公園の水飲み場の水はビバレッジじゃないけど、自販機で買うペットボトル入りの水はビバレッジ」というのは感覚的に納得できます。 ですので個人的には、「コストをかけて入手する飲料」が「ビバレッジ」の定義にピッタリだと思います。 この定義なら、自宅で入れる紅茶やコーヒーも含まれます。

ところが都合の悪いことに、James Thomson という英国の詩人が 1748年に発表した詩の一節に次のようなものがあります。
He knew no Beverage but the flowing Stream
彼が知る飲み物は小川の流れのみ

小川を流れる水は「コストをかけて入手する飲料」ではありません。 嗜好品でもありません。 ただ、これは18世紀の用例ですから、現代では状況が異なると言えるかも。

2.3. けっきょく「水」は "beverage" に含まれるの?

よくわかりません。 「水が "beverage" に含まれるかどうかは不明瞭」というのが現状だと思います。 この現状を、あるがままに受け入れれば良いと思います。

3. 語源

"beverage" の語源は「飲む」を意味するラテン語 "bibere" です。

この "bibere" から、「飲み物」を意味する古フランス語 "bevrage" が生じ、その "bevrage" から "beverage" という英語が生まれました。

"beverage" という英語が生まれたのは13世紀半ばだとされています。