基本的な意味は2つ。 Be動詞の意味をやさしく説明

"is" や "am" や "was" などの be動詞にも普通の動詞と同じような意味はあるのでしょうか?

あります。 Be動詞にも確固たる意味があります。

Be動詞の意味をわかりやすく整理してみました。

1. Be動詞の種類

"be" "is" "am" "are" "was" "were" "been" "being" がBe動詞です。 "be" が原型(それゆえに「Be動詞」と呼ばれる。 「原形」とは当初の基本的な形のこと)で、ここから他の形へと変化します。 "been" は過去分詞形。

2. 基本的な2つの意味

Be動詞の基本的な意味は次の2つです:

  1. (~に)いる、ある、
  2. ~である

(~に)いる

1つ目の「(~に)いる、ある」は存在を意味します。 例えば、なんの文脈もなしに(会話の返事などではなくて) "I am." と誰かがポツリと言った場合、それは「私は存在する」という意味です。 学校の英語の授業で習う5文型で言えば、第1文型(SV)です。
I think, therefore I am.
われ思う、ゆえにわれ在り。
# 「在り」とは「存在する」という意味です。

この意味のBe動詞は「存在する」を意味する動詞 "exist" に置き換えられます。

「(~に)いる」の意味のBe動詞は、場所を意味す副詞(句)と共によく用いられます。
She is there.
彼女はそこにいる。
# "there" は「そこに」という意味の副詞。 「she(彼女)+is(いる)+there(そこに)」で「彼女はそこにいる」となるわけです。
We are in the room.
私たちはその部屋にいる。
# "in the room" で「その部屋に」という意味の副詞句。 「We(私たち)+are(いる)+in the room(その部屋に)」で「私たちはその部屋にいる」となります。
「(~に)いる」の意味のBe動詞は、時を意味す副詞(句)と共にも用いられます。
Please be here by eight o’clock.
8時までにここに来て(いて)ください。
# 命令文なので原形の "be"。 丁寧な表現にするための "Please" を外すと "Be here by eight o’clock." となる。

~である

2つ目の「~である」はイコールを意味します。 イコールと言っても完全に等しいわけではありませんが、「~」の部分に名詞や形容詞が入って、主語("I" とか "She" とか "He" とか)の状態について述べます。 5文型で言えば、第2文型(SVC)です。
She is pretty.
彼女は可愛い。
# Be動詞の後に形容詞が来る例。 "pretty(可愛い)" は形容詞。
She is a student.
彼女は学生だ。
# Be動詞の後に名詞が来る例。 "student(学生)" は名詞。

主語+Be動詞だけでイコールの意味になるケース

上に挙げた "I am." のような文のBe動詞は、単独では存在の意味にしかなりません。 しかし、前後の文脈しだいで「~である」という「イコールの意味でもあり得ます。

例えば、"Are you~?(キミは~かい?)" と尋ねられて「そうだよ」と答える場合がそうです。 こんなときに "Yes, I am~." と答えず "I am." で済ませるケースがあります。 "I am~." の「~」に当たる部分を省略するわけです。

これは "I am" に限った話ではありません。 "We were." や "They are." などあらゆるBe動詞について同じことが言えます。

3. その他の意味

上記の基本的な意味以外にも、Be動詞は次の意味で使われます:

  1. (原形 "be" で)~になる
  2. (物事が)起こる
  3. (完了形で)行ったことがある、来て帰った
  4. 特定の様態で存在する、振る舞う

「~になる」の例文

I want to be a father someday.
私はいつの日か父親になりたい。
# この例文の "be" は、イコール(~である)の意味の be動詞に分類される。 未来に関して使われるため、「~になる」という "become" のような意味になっている。

「起こる」の例文

The test was yesterday.
テストは昨日だった。(昨日テストが存在した)
# 「(物事が)起こる」の例文だが、この "was" は「存在(いる、ある)」の意味で使われているとも理解できる。

「行ったことがある、来て帰った」の例文

Have you ever been to Italy?
イタリアに行ったことがある?
# "been" は "be" の過去分詞。「行って戻ってきた」の意味で使われている。
The postman has been today, but my tickets have still not yet come.
きょう郵便屋さんは来たんだけど、ぼくのチケットはまだ配達されてないんだ。
# "been" は "be" の過去分詞。「来て帰った」の意味で使われている。

「特定の様態で存在する、振る舞う」の例文

"What do we do?"
"We be ourselves."
「私たちはどうしようか?」
「自分らしくするのさ」
#「自分らしくする」とは「自分らしくある」とか「自分らしく振る舞う」ということ。 "be" の基本的な意味である「~である」や「存在する」に似るが、どちらとも異なる別の意味。 この意味の "be" の現在形は "am" や "are" や "is" に変化しない。
Why is he being nice to me?
どうして彼は私に好意的に接してくれるのかしら?

#「~である」の意味で使われているようにも見えるが、「~である」という「状態」の意味なら進行形である必要はない。「彼が私に好意的に振る舞う」という「行為」が進行中ということで進行形。

"be being nice to" は慣用的な表現で、意味は「好きでない相手であっても、相手を不快な気分にさせないよう好意的に振る舞う」。 「特定の様態で振る舞う」を意味するBe動詞は "is" や "am" や "are" には変化しないが、"being" には変化する。

4. Be動詞のその他の用途

Be動詞は助動詞として進行形受動態に使われるほか、「be to 動詞」という不定詞の形で将来の行動や状態(予定や義務など)を意味するのにも使われます。

受動態の例文

The mayoral election is held annually.
市長選挙は毎年開かれる。
# 「Be動詞+動詞の過去分詞形」が受動態。 "mayoral" は「市長」を意味する名詞 "mayor" の形容詞形で、「市長の」という意味。 "election" は「選挙」という意味。 "held" は "hold" の過去分詞形(過去形も "held")。 "hold" は「抱える」という意味が有名だが、「開催する」という意味もある。 "annually" はこの例文では「毎年」という意味。

進行形の例文

"I was running for the door."
私はドアに向かって走っていた。
# 過去進行形。 "run" は「走る」。 "for" がこの例文では「~へ向かって」という意味なので、"run for the door" で「ドアへ向かって」。

「"be to" +動詞」の例文

She is to be mine.
彼女はボクのものになる予定だ。

# 予定を意味する「be to 動詞」の例文。 "She is mine." なら「彼女はボクのものだ(オレの女だ)」という意味。 この "is" の前に新たに "is to" が加えられ、"to" の後ろになったので原形の "be" に戻ったのが、"She is to be mine."。

ややこしいですが、「be to 動詞」の "be" に当たるのは、"She is to be mine." の "be" ではなく "is" です。 「be to 動詞」の "be" が "She" という主語にあわせて "is" に変わりました。

"She is to be mine." の "be" は「be to 動詞」の「動詞」にあたります。 "She is(be)to(to)be(動詞)mine."
"Let me be crystal clear: When that anthem is being played, you are to stand and you are to be quiet," Principal Ryan Nemeth said...
Ryan Nemeth 校長は言った。「わかりやすく言ってあげよう: 国家が演奏されているときには、起立して静かにしていることが求められる(起立するべきだし、静かにしているべきだ)」

# 義務を意味する「be to 動詞」の例文。 "are to stand" と "are to be quiet" の2つが義務を意味する「be to 動詞」。 「be to 動詞」の "be" が "you" にあわせて "are" に変わった。 「起立する」とは、ここでは国歌に敬意を示して真っ直ぐに立つこと。

この例文の出典は、フロリダ州で行われたアメフトの試合で選手の学生が国歌演奏時に起立しなかったのを校長がたしなめたというニュース。 日本の卒業式で国歌斉唱時に教師が(国歌「君が代」を嫌って)立ち上がらないのが問題になるが、米国でも同じような問題がある。

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