"a number of" の意味 ~辞書と現実~

辞書における "a number of"

英和辞典

オンライン英和辞典「アルク」では、"a number of" の意味を次のように記載しています:

  1. 多数の、たくさんの、多くの
  2. 幾つかの、いくらかの、複数の、若干の

多数の」のほうの意味を最初に挙げています。

英英辞典

英英辞典では、"a number of" の意味として「たくさんの、多数の」を挙げているのは少数派です:


Macmillan

more than a few, but not many
2~3以上だが多くはない。

"many" の意味で "quite a number of" が使われるという記述があります。


Collins

an unspecified number of; several or many
不特定の数、「いくつか」または「たくさん」。

同義語として several、a few、various を挙げています。

"a number of" を米国の英語(アメリカン・イングリッシュ)での意味として記載しています。


Cambridge

several of~
いくつかの~

米国と英国どちらの英語でも "a number of" が "several" の意味で使われるとしています。


Merriam-Webster

more than two but fewer than many : several
2よりは多いが、"many" よりは少ない。 "several" と同じ意味。

海外の掲示板で調べた結果

UsingEnglish

UsingEnglish.com では、米国在住で英語を母国語とする人が次のように述べています:

「"a number of" も "a large number" も "a great number" も "quite a number of" も "many" も "a lot of" も同じ意味だ」

つまり、この人は "a number of" を「たくさんの」という意味に理解するわけです。

この米国人はさらに「"large" や "great" は(「多い」という)意味を強めるけれどそれだけだ。意味は変わらない ("a number of" だけでも「たくさん」の意味になる)」とも述べています。

WordReference

WordReference.com では、"a number of" に関する質問に対して次のような回答が寄せられています:


米国ニューオーリンズ在住の人

「"a number of" は2~3超だ。 上限はわからない。 10かもしれないし100かもしれない」

オーストラリア在住の人

「"a number of" は、はっきりしない(数)だね」

しかし、この人の回答全体を見ると、"a number of" を "several" よりは多く "a lot of" よりは少ないと思ってるように見受けられる。


英国バーミンガム在住の人

「"several" や "a number of" は『だいたい思ってた通りの数』で、"a lot of" や "many" は『思ってたよりも多い数』という感じ」

参考までに、この人は "a few" の意味は状況により異なるという感覚の持ち主。 自家用車に "a few people" なら4人未満だけど、スタジアムに "a few people" なら100人以下とのこと。


英国デボン在住の人

Several suggests that you have a number of separately identifiable objects. Some suggests that you have a number of objects that are not necessarily distinguishable from each other.」

"several" や "some" の意味の説明に "a number of" が使われています。 "a number of" が「たくさん」の意味でないのは明らかです。


まとめ

英国でも米国でも "a number of" は数が不特定という点では共通しています。

そして、英国に比べて米国のほうが "a number of" でイメージする不特定な数の上限が高い(数が多い)のかもしれません。 これは、"a number of" をアメリカン・イングリッシュとして記載する Collins で "a number of" に "many" の意味も記載されているのと合致します。

"a number of" の運用

発話

自分で "a number of" を使うときには、「不特定のいくつか」の意味なら "a number of" と言い、「たくさん」の意味なら "quite a number of" や "a large number of" を使うと良いでしょう。

理解

他人が使う "a number of" を理解するときには、相手が米国人なら「いくつか~たくさん」のつもりで理解し、相手が英国人なら「いくつか」の意味に理解すると良いのではないでしょうか。

和訳

"a number of" を和訳するときには「複数の」と訳しておけば間違いにはなりません。 「複数の」が固い表現に思えるかもしれませんが、意外と大丈夫です。 例えば "a number of options" なら「複数の選択肢」ですし、"a number of people" なら「複数人」、"a number of times" なら「複数回」です。

"a number of" の用法

後ろに続く名詞は可算名詞

"a number of" は可算(数えられる)名詞と共に使用します。

不加算(数えられない)名詞には "an amount of" を使います。 "a large amount of" なら「大量の」。

後ろに続く名詞は複数形

"a number of" の後ろに続く名詞は複数形です。

例えば前出の "a number of options" も "option" という名詞が複数形になっています。 "people" にしても「人々」の意味の場合は複数扱いです。

"the number of" との比較

"a number of~" が「複数の~」を意味するのに対して、"the number of~" は「~の数」という意味です。

例えば "a number of people" が「複数人」なのに対して "the number of people" は「人の数」。 "a number of~" では "~" が主役なのに対して、"the number of~" では "number" が主役

"a number of" 全体は複数扱い

"a number of~" 全体は複数形の名詞として扱われます。

例えば、"A number of~ has..." ではなく "A number of~ have..." となります。 これに対して "the number of~" 全体は単数形の名詞で、"The number of~ has..." となります。

両者のこのように異なるのは、"a/the number of~" の主役が異なるからです。 "The number of~" では "number" が主役なので、"The number of~" 全体の数が "number" に合わせて単数とみなされます。

しかし "a number of~" では "~" の部分に入る名詞の複数形が主役で "a number of" は飾りに過ぎないので、"a number of~" 全体が複数の名詞として扱われます。 例えば "a number of cars" は数に関しては単なる "cars" と同じ扱いです。