「レーズン」と「ぶどう」の違いは?

質問.レーズン」と「ブドウ(グレープ)」はどう違うの?

回答. 「ブドウ(グレープ)」が基本的には「生のブドウ」を意味するのに対し、「レーズン」は「干したぶどう」を意味します。

詳しくは以下をご覧ください。

1. 英語に戻すと

「レーズン」を英語に戻すと "raisin" で、この "raisin" の意味が干しブドウ」です。 ブドウを天日または人工的な手段により乾燥させたものが "raisin" です。
ちなみに「グレープ」を英語に戻すと "grape"。

2.「レーズン」の意味は国によって違う

米国で "raisin" は干しブドウ全般を指しますが、英国・オーストラリア・ニュージーランドで "raisin" は黒くて粒が大きい品種のブドウを乾燥させたものだけを指します。

英国などにおける「レーズン」以外の呼称

英国・オーストラリア・ニュージーランドで:

  • ブドウ(赤系や黒系でない緑色のブドウ)を乾燥させて作られる黄色っぽい干しブドウは「スルタナ(sultana)1」と呼ばれます。
  • 小粒の黒いブドウ(Black Corinth grape)を乾燥させて作られる(乾燥後には4mmほどのサイズになる)干しブドウは「カラント(currant)2」と呼ばれます。

1 "sultana" は黄色っぽい干しブドウという意味だけでなく、その干しブドウの原料となる白ブドウ(主に Thompson と呼ばれる種無しブドウ)の意味でも使われます。

2 "currant" には「スグリ属の植物(Ribes)や、その果実」という意味もあります。 "Black Corinth grape" は学名を "Vitis vinifera" という植物(ブドウの一種)なので、"Ribes" とは全く異なる植物です。

"Ribes" はユキノシタ目スグリ科の植物ですが、"Vitis vinifera" は Vitales目ブドウ科の植物です(Vitales目は新しい分類であるらしく、対応する日本語が辞書に載っていない)。

3. "raisin" の語源

"raisin" の語源を突き詰めると、ブドウやベリー類の一房(ひとふさ)」を意味するラテン語 "racēmus" に至ります。

"racēmus" から古フランス語を経由して、14~15世紀頃に英語の "raisin" が成立しました。

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