「ライム」の意味は? え、3つもあるの?

質問:「ライム」の意味を教えてください。

回答: 次の3つの意味があります:

  1. ライム(果物)
  2. 石灰
  3. 脚韻(を踏む)

詳しくは以下をご覧ください。

1. 果物の意味の「ライム」

果物の「ライム」は英語で "lime" です。

果物の "lime" は次の2つの意味で使われます:

  • 狭い意味の "lime": "Citrus aurantifolia" という学名の樹木やその果実。
  • 広い意味の "lime": "Citrus aurantifolia" に似る柑橘類。 すなわち、小型で酸味が強く緑色~黄緑色をした柑橘系の果実または樹木。
"lime" は「シナノキ(linden)」の別称でもありますが、カタカナの「ライム」が「シナノキ」の意味で使われることはないでしょう。

果物の「ライム」が使われる場面

  • 飲食物の文脈では、「ライム」は「果物のライム」の意味です。 ライム・ソーダの「ライム」もテキーラ(お酒)に投入する「ライム」も、果物のライムを指します。
  • また、「ライム色」とは「果物のライムのような緑~黄緑系の色」のことです。

果物の "lime" の語源

果物の "lime" は「柑橘系果実」を意味するペルシャ語 "līmū" に由来します。

2.「石灰」の意味の「ライム」

英語の "lime" は果物のほか「石灰」も意味します。
石灰とは、酸化カルシウムや水酸化カルシウムなどのカルシウム化合物のことです。

カタカナ語「ライム」が「石灰」の意味であることは少ないですが、「ソーダ石灰(soda lime)」をカタカナで「ソーダ・ライム」と言うことがあります。

また、「脚光を浴びる」などの文脈で「ライムライト」という語が使われますが、「ライムライト」の「ライム」が「石灰」の意味です。 19世紀ごろに、劇場などの舞台照明で強烈な光を生み出すのに石灰を用いたことに由来します。

「石灰」の "lime" の語源

「石灰」の "lime" は「泥、粘液状のもの」を意味するラテン語 "līmus" に由来します。

3.「脚韻(を踏む)」の意味の「ライム」

「脚韻(を踏む)」の意味の「ライム」を英語に戻すと "rhyme" です。

「脚韻」は詩の技法の一種で、語句や文章の末尾を同じ音で揃えることです。 逆に語句や文章の最初の部分を同じ音に揃えるのは「頭韻(とういん)」と呼ばれます。

"rhyme" の意味の範囲

"rhyme" がカバーする意味の範囲に「韻」は含まれません。「頭韻」に対応する英語は "alliteration" です(動詞「頭韻を踏む」は "alliterate")。

したがって、"ryhme" の厳密な意味は「韻(を踏む)」ではなく「韻(を踏む)」です。

ヒップホップにおける「ライム」の例

カタカナ語「ライム(脚韻)」は主にヒップホップなどの歌謡曲の用語として流通しています。

ヒップホップにおける「ライム」の例は次のようなものです。
My unusual style will confuse you a while
If I was water, I'd flow in the Nile
So many rhymes you won't have time to go for yours
Just because of applause I have to pause
オレの尋常ならざるスタイルは、オメーをちっとばかし混乱させるかもな。
もしオレが水なら、流れるのはナイル川だな。
ライムが多すぎて、オメーはオメー自身のライムを求める暇(ヒマ)がねえ。
アプローズのせいでオレは中断しなけりゃならねえ。

# 上記は「ラキム」と呼ばれるラッパーの "My Melody" という曲の歌詞の一部です。

"while(ホワイ)" と "Nile(ナイ)"、および "yours(ユアー)" と "pause(ポウ)" で脚韻を踏んでいます。

さらに、1行目の内部では "style" と "while" で、3行目の内部では "rhymes" と "yours" で、および4行目の内部では "applause" と "pause" とで韻を意識しているように見受けられます。

最後の行は、「客席の拍手喝采(アプローズ)が大きすぎるせいで、オレは歌を中断しなくちゃなんねえ」という意味でしょう。

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