質問: 映画やドラマなどのタイトルに用いられる言葉「ハード・ウェイ」。 この「ハードウェイ」とは、どういう意味ですか?
回答:「身をもって」などの意味です。
詳しくは以下をご覧ください。
1. 英語に戻すと
「ハード・ウェイ」を英語に戻すと "the hard way" です。
2. 詳しい意味
2.1. 直訳
"the hard way" の直訳は「困難な道(方法)」です。
"the hard way" における "hard" と "way" は次の通り:
- hard ・・・「困難な、辛い」を意味する形容詞
- way ・・・「道、方法」を意味する名詞
"hard" には副詞としての意味もありますが、 "the hard way" では形容詞。
2.2. 慣用的な意味
慣用表現としての "the hard way" は副詞句で、主な意味は次の2つ:
- (人に教わるのではなく)身をもって、辛い実体験を通して、自らの試行錯誤を経(へ)て
- (他人に施されるのではなく)辛い思いをして、自分の努力で
使用例
慣用句 "the hard way" の使い方は次のようなもの:
- learn the hard way ・・・ 身をもって学ぶ、自らの体験を通じて習得する
- find out the hard way ・・・ 自分で見つけ出す
- earn the hard way ・・・ 自分の努力で獲得する
- do things the hard way ・・・ 物事を教わるのではなく実際に自分で行う
"the hard way" は副詞句なので、上記の "learn" や "find out" などの目的語ではありません。 "in the hard way" の "in" が省略されたと考えると良いでしょう。
映画タイトルの使用例
例えば、マイケル. J. フォックス主演の米国映画『ハード・ウェイ(The Hard Way)』では、ハリウッドのトップスターであるニックがアイドルから演技派に転向すべく、刑事の役をやるための修行としてニューヨーク警察殺人課刑事に乗り込みます。
刑事がどういうものかを人に訊いたり本で読んだりするのではなく自分で実際に刑事を体験するから、映画のタイトルが "The Hard Way" なのです。
3. サイコロ賭博の「ハードウェイ」
サイコロを用いるギャンブル「クラップ(crap)」ではゾロ目(*) が "hardway" と呼ばれます。
(*) 複数のサイコロが同じ目で揃うこと。
ゾロ目が "hardway" と呼ばれるのは、特定の偶数がゾロ目で出る確率が低く(*)、ゆえに困難(hard)だからです。
(*) 2つのサイコロの目の合計が例えば8となるパターンは2+6|4+4|3+5の3通り。 ゾロ目でない確率が約66%に対して、ゾロ目(4+4)の確率は約33%。