「ボランティア」の意味。 有償が基本? いいえ無償が基本です

先日(2019年7月27日)、Twitter の次のようなツイートがネットで評判になっていました。

疑義

私が疑義を抱いたのは次の部分です:

「国連ボランティアは報酬は出る。義勇兵(ボランティア兵)も報酬は基本的に出る。 ボランティアは本来、ある目的の為に集められた雇用という程度の意味であり、だから正規に集められた人材より安く雇えるというだけ。 ボランティアを無償と誤用し続けるのはそろそろ無理が来ているのではなかろうか」

「ボランティアはすべて無償である」とまでは言っていませんが「ボランティアは基本的には有償なんだよ」と言わんばかりです。

このツイートを見て私は私は少し疑問を感じました。 日本語で「ボランティア」と言えば確かに「無償ボランティア」を意味します。 国語辞典で「ボランティア」を調べると次のように説明されています:

自主的に社会事業などに参加し、無償の奉仕活動をする人。

しかし、世界的に見てボランティアは有償が基本なのでしょうか?

このような疑問を抱いた私は、「ボランティア」の原語にあたる英語 "volunteer" の意味を英語の辞書で調べてみました。

英語の辞書での定義

The Free Dictionary

The Free Dictionaryには複数の辞書が収録されていますが、それらの定義をまとめると "volunteer" の名詞としての意味(植物学用語など無関係な意味は除く)は次の3つに大別されます:

  1. 自発的にサービスを提供する人
  2. 徴兵によらず自主的に兵役に就く人
  3. (法律用語)無報酬で働く人、当事者でないのに義務を引き受ける人

1の意味は無償有償かを問わないと言えるでしょう。 3は無償ですが法律用語です。 「ボランティア」が無償と決まっているのは法律用語の場合だけだとも言えます。

Wiktionary

Wiktionary では次のように説明されています(無関係な意味は省いています):

  1. 自由意志によりサービスを提供する人。特に無報酬の場合を指す
  2. 自主的に軍役に就く人。義勇兵など。対義語は徴集兵。
  3. 法的な義務がないのに自分の意志により行動する人。 ドナーなど

Wiktionary によれば、日常的な言葉としての(法律用語でない)"volunteer" であっても「無償ボランティア」の意味で使われることが多いと言えます。

Wikipedia

英語版のWikipedia をざっと眺めても、ボランティアは基本的には無報酬であるようです。 「自主的な兵役は有償だ」という記述がありますが、ことさらにそう述べるというのは逆に言えば兵役以外は無償であるのが一般的ということでしょう。

結論

冒頭のツイートの「『ボランティア』を『無償ボランティア』の意味使うのが誤用である」という主張は言い過ぎではないでしょうか?

東京オリンピックのボランティアの扱いがひどいとは思いますけどね。

でも、食費や宿泊費にとどまらず報酬的なものを見返りとして期待するなら、それはもはやボランティアではないと思います。