「ノーダウト」の意味

「ノーダウト」は "no doubt"

「ノーダウト」は "no doubt" という英語をカタカナで表記した言葉です。

"no doubt" の意味

"no doubt" を直訳すると「疑いない」という意味になります。

"doubt" は「疑い」という意味の名詞です。 「疑う」という動詞としての意味もありますが、"no doubt" という表現では名詞の意味で使われています。

"no" は「」を意味する形容詞です。

したがって、"no" と "doubt" の組み合わせで「疑い無い」という意味になります。

慣用句としての "no doubt"

"no" と "doubt" の組み合わせは頻繁に使われるので、"no doubt" で慣用句としても使われるようになりました。

複数の英英辞典でチェックしたところ、慣用句としての "no doubt" の意味は「きっと(surely)、確かに(certainly)」「おそらく、たぶん(probably)」というものです。 "surely" も "certainly" も "probably" も副詞です。 こうした副詞に置き換えられることから、慣用句としての "no doubt" は副詞であることが分かります。

しかし、"no doubt" の場合、慣用句であってもなくても意味に大差はありません。 副詞の "no doubt" も省略されているであろう色々な言葉を補ってやれば文へ戻ります。

用例

慣用句ではない例

次の3つの例は、"no doubt" が副詞として使われていないので、"no doubt" は明らかに慣用句ではありません。
I have no doubt that he will succeed.
私は彼が成功するであろうことを疑っていない。

# 直訳すると「私は彼が成功するだろうという疑いを持っていない」。 "no doubt" は "have" の目的語なので名詞。

"that" は関係代名詞で、"that" 以下が形容詞節として "doubt" を修飾している。 その点からしても "no doubt" は名詞。
There is no doubt he is a criminal.
彼が犯罪者である疑いはない。
# "criminal" は「犯罪者」という意味。 "doubt" の後ろに関係代名詞の "that" が省略されている。 この例文でも "no doubt" は名詞。
There was no doubt that was the intention of Parliament.
それが議会の意図であったこと疑いなかった。
# 1つ上の例文と同じような感じ。 こちらでは "that" が省略されずに残っている。

慣用句だと考えても差し支えない例

No doubt that was one of my best performances.
あれが私(サッカー選手)の最高のプレーの1つだったのは疑いない。

# この例文は、"No doubt" の後ろの "that" が関係代名詞ではなく指示形容詞(あの、その)。 この "No doubt" は慣用句であるともないとも考えられる。

  1. "No doubt" を慣用句と見なすなら、"doubt" の後ろにカンマ(,)を入れると分かりやすい:

    "No doubt, that was one of my best performances."

    "Probably, that was one of my best performances." と同じ意味になる。
  2. "No doubt" を慣用句と見なさないなら、次のように補うと分かりやすい:

    (I have) no doubt (that) that was one of my best performances.

    カッコ内の "that" が関係代名詞で、元の文では省略されている。 カッコが付いていない2つ目の "that" は元々あった指示形容詞の "that"。
No doubt he is considered as one of the best short story writers.
彼が最高の短編作家の1人と見なされていること疑いない。

# この例文も、"No doubt" が慣用句であるともないとも考えられる。

  1. "No doubt" を慣用句と見なすなら、"doubt" の後ろにカンマ(,)を入れると分かりやすい:

    "No doubt, he is considered as one of the best short story writers."

    "Probably, he is considered as one of the best short story writers." と同じ意味。
  2. "No doubt" を慣用句と見なさないなら、次のように補うと分かりやすい:

    (There is) no doubt (that) he is considered as one of the best short story writers.

慣用句だと考えるのが自然な例

He's a Major Leaguer. No doubt, he is.
彼はメジャー・リーガーだ。 疑いようもなく(確かに)ね。

# "No doubt" の後ろにカンマがあるからこの "No doubt" は明らか副詞だが、実際には上記の "No doubt that was one of my best performances." などと大差ない。

"No doubt" を慣用句と見なしたくないなら、次のように言葉を補うと良い:

He's a Major Leaguer. (There is/I have) no doubt (that) no doubt he is a Major Leaguer.
No doubt, that was where I acquired my love of quartet music.
きっと(疑いようもなく)、私はそこでカルテット音楽を愛するようになったんだ。

# "No doubt" の後ろにカンマがあるからこの "No doubt" は明らに副詞で、それゆえに慣用句だが、実際には上記の "No doubt that was one of my best performances." などと大差ない。

  1. "No doubt" は "probably" や "certainly" といった副詞に置き換えられる:

    Probably/Certainly/Surely, that was where I acquired my love of quartet music.
  2. 省略されてる言葉を推測すれば、元の形を復元することも可能:

    "(I have) no doubt, (that) that was where I acquired my love of quartet music."

慣用句だとしか考えられない例

No doubt that was what you came to tell me tonight. If so, you're about a month too late.
今夜キミが来たのはきっと、それを私に伝えるためだろう。 仮にそうだとすれば、(キミが来るのは)一ヶ月ほど遅かったね。

# この例文も例によって慣用句であるともないともみなせる。

  1. "No doubt" を慣用句と見なすなら、"doubt" の後ろにカンマ(,)を入れると分かりやすい:

    "No doubt, that was what you came to tell me tonight..."

    "Probably, that was what you came to tell me tonight..." と同じ意味。
  2. "No doubt" を慣用句と見なさないなら、次のように補うと分かりやすい:

    (I have) no doubt (that) that was what you came to tell me tonight...

問題点

ただ、この例文の場合、"If so, you're about a month too late." の部分との関係で、"No doubt" は慣用句でしかあり得ない気がする。

省略されているのを補って慣用句っぽさを消したバージョンと、"If so, you're about a month too late." とを続けると次のように:

(I have) no doubt (that) that was what you came to tell me tonight. If so, you're about a month too late.

これを訳すと:

「今夜キミがそれを私に伝えるために来たのは疑いない。 仮にそうだとすれば一ヶ月ほど遅かったね」

ここで私は1つの疑問を抱いた。 「疑いない」と「仮に」を併用するのはおかしくないか? 「疑いない」とは100%確信していることである。 その確信している事柄について「仮に~なら」と仮定的な言い方をするのは矛盾していないだろうか?

慣用句なら

ところが次のように "No doubt" を慣用句(probably の意味)として扱うと、この違和感は消滅する。

No doubt(= Probably)that was what you came to tell me tonight. If so, you're about a month too late.

「おそらく今夜キミはそれを私に伝えるために来たのだろう。 だとすれば一ヶ月ほど遅かったね」

ただし、同じように慣用句として扱うのでも、"No doubt" を "certainly(きっと、たしかに)" の意味に捉えるなら違和感は消滅しない。

つまり、この違和感が生じるか生じないかは "that was what you came to tell me tonight(今夜キミはそれを私に伝えに来た)" という文が正しい確実性が100%か否かにある。 確実性が100%(疑いない)であれば違和感が生じるわけだ。

"Probably, that was what you came to tell me tonight." なら、「(70~80%ぐらいで)たぶん今夜キミはそれを私に伝えに来た」となるので、"If so(もしそうなら)" と続けても違和感は生じない。

"no doubt" の示す「確実性」

上述のように慣用句の "no doubt" には "probably" と "certainly(surely)" の意味があるが、"probably" と "certainly" は意味が似ているようでいて明確に異なる。

"probably" が意味する確実性が100%ではない("probable" と言われると75%の確実性と受け取るというデータがある)が、"certainly" が意味するのはほとんど100%である("certain" と言われると100%の確実性と受け取るというデータがある)。

慣用句の "no doubt" に、どうしてこのように2種類の意味があるのだろうか?

憶測

憶測になるがこの2種類の意味は、慣用句の "no doubt" の起源にあたる "I have(There is)no doubt..." を自分が使う場合と他人が使う場合に対応しているのではないだろうか?

他人が "I have no doubt" という表現を使ったとき、それを聞いた人は「100%の確実性ではない」と判断する。 "I have no doubt" という表現が使われる時点で結局は推測が入ってるわけで、純然たる事実を言ってはいないから。 上の例で言えば、事実を言うのであれば「今夜キミがそれを私に伝えるために来たのは疑いないが...」ではなく「今夜キミはそれを私に伝えるために来たが...」と言えばいい。

これに対して、自分で "I have no doubt" という表現を使うとき、自分はそれが100%の確実性だと思って言っている。 60%~90%の確実性だと思うなら、"likely" や "probably" や "very likely" などの言葉を使うのだから。

このような "I have no doubt" の二義性が慣用句の "no dobut" にも残っているのではないだろうか?

再び例文の話

"No doubt that was what you came to tell me tonight..." で "No doubt" が「おそらく(prpbably)」の意味で使われているのは間違いないだろう。 上記の「他人の "I have no doubt"」の意味である。

いっぽう、この "No doubt" を慣用句として捉えないなら、"I have no doubt that was what you came to tell me tonight." であり、これはまさに「自分の "I have no doubt"」すなわち100%の確実性を意味する。

この "No doubt" を慣用句の意味に捉えるにしても、"Probably" ではなく "Certainly" のほうの意味に捉えると、それは慣用句化したとは言え「自分の "I have no doubt"」なので、やはり100%の確実性を意味する。

それゆえに、"No doubt that was what you came to tell me tonight..." の "No doubt" は慣用句(それも "probably" のほうの意味の)でしかあり得ないと思うしだいである。