カタカナ語「リッチ」という言葉には意味が２つあり、混同に注意が必要です。 人前で恥をかいたりしないよう、きっちりと２つの意味を知っておきましょう。
２つの意味
「リッチ」の原語となり得る英語には次の２つがあります：
- rich
- lich
rich
"rich" は形容詞で、意味は「金持ちの、裕福な」や「豊かな、豊富な」です。 カタカナの「リッチ」は以前は「金持ちの、裕福な」の意味で使われましたが、最近では「豊かな、豊富な」の意味でも使われます。
lich
"lich" はＲＰＧに登場するモンスターの１つ「リッチ」です。 ＲＰＧにおいて「リッチ」は一般的に、強力なアンデッド・モンスターとして扱われます。 アンデッド・モンスターとは、ゾンビやスケルトンなどのことです。
「リッチ」について詳しくは拙著『ＲＰＧに登場する「リッチ」。その言葉の意味は？ 語源は？』をご覧ください。
「アンデッド」についても、詳しくは拙著『「アンデッド」という言葉の意味は？ 成り立ちは？』をご覧ください。用例
"rich" を原語とする「リッチ」の用例
真の意味でリッチな人生を送るには、まず目標を見つけることだ。
＃ 「リッチ」が「裕福な」という意味で使われています。 「真の意味でリッチな人生」とは「金銭面に限らず豊かな人生」ということでしょう。
ほんのりと甘いノートをもたらすドラゴンフルーツをアクセントに加え、リッチなアロマの香りが口いっぱいに広がります。
＃ 「リッチなアロマ」とは「豊かな香り」という意味。
「アロマ」の原語は "aroma" で、意味は「良い香り、芳香」。 英語の "aroma" は普通の「匂い」や「不快な匂い（unpleasant aroma）」の意味にも用いられるが、カタカナ語の「アロマ」はもっぱら「良い香り」を意味する。
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＃ 「リッチテイスト」とは「豊かな味わい」という意味。 「テイスト」の原語は "taste" で、意味は「味」。
リッチテキストとは、文字のサイズ・色・書式などの情報を文書中に盛り込んだものである。
＃ 普通のテキストに比べて「リッチ」テキスト「豊富な」情報を含有します。
"lich" を原語とする「リッチ」の用例
リッチが出たぞー！
＃ 恐ろしいアンデッド・モンスター「リッチ」が村へやって来ました。
お前のその武器じゃリッチは倒せない。 リッチを倒すには魔法の武器が必要なんだ。
＃ ベテラン冒険者からのアドバイスです。
うむ、この武器なら、このアンデッド・スレイヤーならリッチも倒せることだろう。
＃ ベテラン冒険者も納得の一品です。
「スレイヤー」の意味は拙著『「スレイヤー」の３つの意味』をご覧ください。
リッチを倒してくれてありがとう！
＃ リッチを倒したあなたに村人が感謝しています。 手を振って応えてあげましょう。
"rich" のフリして実は "lich" を原語とする「リッチ」の用例
ほんのりと甘いノートをもたらすドラゴンフルーツをアクセントに加え、リッチのアロマの香りが口いっぱいに広がります。
＃ 『"rich" を原語とする「リッチ」の用例』に挙げた用例に酷似するが、「リッチなアロマ」ではなく「リッチのアロマ」となっている点に注意！
「リッチのアロマ」が意味するのは「アンデッド・モンスターであるリッチの香り」。 カビ臭いです。
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＃ この用例では「リッチテイスト」が「アンデッド・モンスターであるリッチの味」の意味。 文章だけでは『"rich" を原語とする「リッチ」の用例』に挙げた用例と全く見分けが付かないので文脈から判断するほかない。