"enough to..." の意味と正体

"enough to..." の意味について説明します。

"enough to..." の意味

"enough to..." は「...するには十分な」とか「...するのに十分な」という意味です。

用例

"You have money enough to buy an apple."
あなたは、リンゴを1つ買うのに十分なおカネを持っている。
# "enough to..." が限定用法(下記参照)として用いられている例。
Your money is enough to buy an apple.
あなたの(手持ちの)おカネは、リンゴを1つ買うのに十分だ。
# "enough to..." が叙述用法(下記参照)として用いられている例。
"Do we have grain in the house?" "Yes, enough to last a few months."
「うちに穀類はあるかな?」 「はい、数ヶ月分は十分に(穀類があります)」

# 答える側のセリフで省略されている語を補うと次のようになります: "Yes, (we have grain) enough to last a few months."

ここの "last" は「保つ(もつ)」という意味。 直訳すると「数カ月分は十分もつほどに」。
"Do you have other fabrics not shown on your website?" "Yes! Enough to open a fabric store!"
「ウェブサイトで紹介されている以外の繊維製品はありますか?」 「はい! 繊維屋を開店するのに十分なほどに(繊維製品があります)」
# 答える側のセリフで省略されている語を補うと次のようになります: "Yes, (we have fabric) enough to open a fabric store."

"enough to..." の正体

"enough to..." を文法的に分解すると、"enough""to..." に分けられます。 つまり、"enough to""..." に分けるのではないということです。

「十分な」という意味の形容詞 "enough" の後ろに、不定詞の副詞的用法である "to..." がくっついたのが "enough to..." の正体です。

そして "enough" と "to..." の関係は、"enough" を "to..." が修飾する(説明する)というものです。

例えば、"Your money is enough to buy an apple." では、"enough(十分な)" がどういうふうに十分であるのかを "to..." に当たる "to buy an apple" の部分で説明しています。 "buy an apple" は「リンゴを(1つ)買う」という意味なので、"enough to buy an apple" で「リンゴを買うのに十分な」という意味になります。

不定詞の副詞的用法について

さきほど「"to..." は不定詞の副詞的用法である」と述べましたが、"enough to..." の "to..." が「不定詞の副詞的用法」と呼ばれる理由は次の通りです:

  1. "to..." が不定詞である。

    不定詞とは「to+動詞の原形(時制や人称で変化していない基本的な形態)」が名詞・形容詞・副詞のいずれかとして機能するというもの。"enough to..." の "..." の部分に来るのも動詞の原形。 "enough to..." は「enough(to+動詞の原形)」。
  2. "enough" は形容詞である。
  3. 形容詞を修飾するのは副詞である。
  4. "enough to..." の "to..." は形容詞 "enough" を修飾しているのだから、副詞として働いているということになる。
  5. したがって、"enough to..." の "to..." は副詞として働く不定詞である。

限定用法と叙述用法

形容詞の使われ方には限定用法叙述用法の2種類があります。

形容詞の中には限定用法にしか使えないもの(asleep/awake/alone など)や叙述用法にし使えないもの(weeekly/western/only など)もありますが、"enough" は限定用法にも叙述用法にも使えるため、"enough to..." にも限定用法のケースと叙述用法のケースとがあります。

限定用法

限定用法とは、形容詞が特定の名詞の前あるいは後ろに置かれて、その名詞を修飾するというものです。 例えば "a red car" では、"red" が限定用法の形容詞、"a car" が「特定の名詞」にあたります。
"You have money enough to buy an apple."
あなたは、リンゴを1つ買うのに十分なおカネを持っている。

上の例文では、"enough to buy an apple" という形容詞句(複数の語が形容詞として機能するもの)が "money" という名詞の後ろに置かれて "money" を修飾しています。 形容詞は名詞の前に来るのが一般的ですが、複数の語が連なる形容詞句はまとめて名詞の後ろに置かれます。

参考までに、次のような表現も可能です。 次の文では "enough" と "to buy" が "money" の前後に分かれて、前と後ろから "money" を修飾しています。
"You have enough money to buy an apple."
あなたは、リンゴを1つ買うのに十分なおカネを持っている。

上の例文において "to buy" は "enough" ではなく "money" を修飾しているため、不定詞の形容詞的用法となります。

上の上の例文で "money" の後ろに来ていた "enough" が上の例文で "money" の前に回っているのは、"enough" と "to buy an apple" との関係が切れて "enough" が単独の形容詞として機能するようになったためです。

叙述用法

叙述用法とは、形容詞が特定の名詞を修飾するのではなく、第2文型(SVC)や第5文型(SVOC)の補語(C)として働くことです。
Your money is enough to buy an apple.
あなたの(手持ちの)おカネは、リンゴを1つ買うのに十分だ。
上の例文では、"enough to..." が "money" を直接的に修飾してはいません。